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Technically Impossible

Lets look at the weak link in your statement. Anything "Technically Impossible" basically means we haven't figured out how yet.

ザ・クリエイター/創造者 - The Creator

The Creator

80年代に世界を席巻した日本の家電、「Japan as No.1」を意識した世界観、そして90年代のジャパニメーションまで、当時の日本を感じさせるビジュアル要素の影響力は大きい。映画『MATRIX』の演出には、コミック、ならびに映画『攻殻機動隊』の影響があり、ゲーム『サイバーパンク2077』には、80年台のサイバーパンク・ブームと、そのモチーフとなった想像上の日本的世界観がある。

映画『ザ・クリエイター/創造者』も、そのような作品だ。実際、監督のギャレス・エドワーズが、作品世界のデザインについて、日本企業の影響、さらには90~90年代のSF懐古主義について公言している*1

その努力は世界観と雰囲気、絵作りに現れており、それらは確かに優れてはいるのだが、だからこそ相対的に、ストーリーと設定に疎が目立つ。映画『ザ・クリエイター/創造者』は、そのように残念な作品だった。端的には、Eye candyでしかなかった。

80~90年代日本の影響

まず、確実によく分かるのが『AKIRA』からの影響だ。AIが作り出したという兵器は子どもであり、理屈はよくわからないが、遠隔で様々な機器を操ることができる。そして、隔壁の中に隔離されている。これはまさにアキラだ。

また『攻殻機動隊』の影響は、細部の設定にまで及んでいるようだ。死亡した部下から情報を引き出すために、脳から引き出したデータをAIロボットへコピーするのは、ゴースト・ダビング的だし、この設定が終盤まで引き継がれている。

人の顔を持たない、いかにもロボット的なAIが多数登場する。特に目立つのが警察だ。このビジュアルにも、『攻殻機動隊』はじめ、コミック『アップルシード』に登場する警察組織、ブリアレオスやコットスからの影響が多分に感じられた。

疎が目立つ設定、ストーリー展開

ヴィジュアルがそれだけ凝っていると、自ずとストーリーや設定にも、同等の品質を期待してしまう。この作品については、これが無用に期待を膨らませるように機能してしまった。とにかく疎が目立つのだ。先のインタビューで監督が公言している様に、

プロデューサーにも「これは何なの?」と聞かれることがありましたが、「僕にもわかりません」と。もしも僕が未来に行って映画を撮影していたとしたら、「あれは何だ」といちいち聞いている時間はありませんからね。理解できない言語と同じことです。そういうところにリアリズムが生まれるのだと思います。

それに、「あの船はどういうものなのか」というのは、観客が自由に考えればいいと思う。映画の半分は、観客に委ねるのが良いと考えています。

想像の未来なので、現在の視点からは説明できない、理解できない要素を意図的に盛り込んでいる。しかし、それをストーリー、それに関わる設定にまで持ち込むのは手抜きに近いと思うのだ。
例えば、AI陣営に対抗するための戦略兵器としてノマドが存在していながら、支援兵器としてしか機能せず、主力は時に特殊部隊であったり、巨大戦車と強襲部隊であったり。
あれだけ巨大な戦車が複数台も強襲してくるのが、目の前で攻撃してくるまでAIに察知できないなどあり得ないだろう。

AIロボットが行うシミュラントも謎の設定だ。街中でシミュラントの呼びかけを行っているあたりに、実在の人間の顔をコピーしようとしている意図が伺えるのだが、その意図は説明されない。
AIロボットには人の顔を持つ者と、持たない者が存在する。両者の違いは不明だが、少なくとも子供AIは、胎児をスキャンして作成した顔を製造当初から与えられている。

このような設定は世界観を補強するデコレーションみたいなもので、何も重要な要素ではない。とはいえ、ストーリーに複雑な要素は全くなく、伏線はほぼ皆無と言ってよいほどにシンプルな展開だ。
そのような具合なので、「観客が自由に考えればいいと思う」という発言には、絵作り、雰囲気作りに注力しすぎて、他は適当にやりました、的な投げやりさ、無責任さのようなものを感じてしまう。

結果として、大金をかけたEye candyとしての印象しか残らないのは、作品としてもったいないと思うのだ。

www.20thcenturystudios.jp