Technically Impossible

Lets look at the weak link in your statement. Anything "Technically Impossible" basically means we haven't figured out how yet.

PRADA phone by LG

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古いブログには、まだ1日に数件のアクセスがある。アクセスを確認するたび、参照先の投稿を確認し、こちらのブログへ移行している。頻繁ではないとはいえ、需要のある情報なのだろうと考えるからだ。今回移行するエントリにも、まだ需要があるのだろう。
今回の投稿は、2008年に以前のブログに投稿したものだ。加筆して、修正したものを移行した。

携帯電話市場にプレミアム、ラグジュアリー路線が存在する時期があった。Nokia 8800は端末の素材、世界観を売りにする高級端末だったし、Vertuはファイン・ジュエリー的な端末を窓口とする、コンシェルジュ・サービスを提供していた。PRADA phoneはそのような時期にLGがリリースした端末だった。

私がこの端末を購入したのは、使用中の端末の世代交代の時期が到来したものの、当時のラインナップには適当な候補がなく、本命登場までのリリーフとして「市場価値」を維持するためだった。市場価値を維持するというのは、このような経緯があった。

  1. 本命となる端末購入時、できるだけ高値で処分できる端末が良い。
  2. 主流端末の一括購入価格は約4~6万円。
  3. 主流端末の中古価格は約3~5万円。

当時PRADA phoneの中古価格は7~8万円。まれに6万円台の端末が出品されていた。本命端末への切り替え時、できるだけ高値で処分できることを考えると、PRADA phoneへの乗り換えは都合が良かった。
その後、スマートフォンの登場により、この端末から乗り換えるガラケーは登場せず、2008年から約5年間、使い続けることになるのだった。しかし、その5年間は、不自由もなく使い心地も良好で、PRADA phoneは価格に見合う端末だった。

PRADA phoneの外見的な特徴は小ささと軽さにある。クレジットカードくらいのサイズだ。手が余るくらいの小ささなので、手で握るというよりも、手に乗せる感覚だ。この小ささのおかげで、タッチパネルの片手操作が心地よい。サイズと操作性のバランスが良好だ。
ちなみにPRADA phoneのデザインはiPhone 4Sによく似ているが、iPhone 4Sが後発だ。

タッチパネルは感圧式が採用されている。そのため指紋や汚れの付着防止、プライバシーのためのフィルタにはLCD用のものが利用できる。
フィルタ装着前に比べて、装着後の操作では若干、力を込める必要がある。スライドするようになぞる操作、タッチ操作に伴う力加減のメリハリが、ユーザーへのフィードバックとなり、「思った通りの操作している」感覚に通じる。

小型ではあるものの、スピーカ・フォンとしての利用でも通話品質に問題はなかった。マイクは十分に音声を拾っているし、再生も明瞭だった。

端末の質感は、人によって好き嫌いが分かれるかもしれない。iPhoneのような硬質でツルツル、傷がつきやすい特性の反対だ。軟質でテカテカ。塗料を厚塗りしたような光沢と柔らかさ、それが生み出すちょっとしたベタベタ感がある。手に持った時のすべり止めを意識、配慮した質感なのかもしれない。
特にストラップによる傷がつきやすい。擦り傷ならばともかく、ストラップが金属製だと、端末へのちょっとした衝撃が、端末表面の瑕、凹みに繋がる。

本家LG版とDoCoMo版の一番大きな違いはi-modeサービス対応なのだが、端末自体に限定すればBluetooth機能の有無だ。BluetoothはLG版にだけ搭載されている。この影響もあるのか、LG版には付属しているPRADA製ヘッドフォンが、DoCoMo版には付属していない。

携帯電話に限らず、ユーザーによるカスタマイズは当然のことだが、PRADA phoneに限ってはあまり意識されない問題が生じることになる。それはブランドの世界観だ。PRADAのブランド・イメージ、そのアピールが、カスタマイズによって損なわれるのだ。結果としてLG、PRADAによるプレゼンテーションをちぐはぐにしてしまう。

ブランドの世界観を維持するかはユーザー次第だ。それは公式サイトで示されているような世界観なのだが、2020年現在、それはインターネット上のアーカイブからも失われているようだ。