昨年末終値を100として、3月末までのパフォーマンスを計算すると、次のような結果となった。
アクティブ・ファンドには昨年の勢いがなく、年初から指数を大きく下回り続けている。
年初来パフォーマンス | high-score | |
TOPIX | 108.27 | 111.50 3月19日 |
日経平均 | 106.32 | 111.02 3月19日 |
さわかみ | 107.24 | 108.46 3月19日 |
ひふみ | 104.15 | 106.21 2月15日 |
ひふみワールド | 111.43 | 112.29 2月17日 |
ポートフォリオ | 111.89 | 115.49 3月16日 |
想定される原因の一つは、値嵩株を牽引役とした日経平均の異常な上昇だ。特に”ひふみ”は成長企業に投資する名目でポートフォリオを構成していることから、構成銘柄に占める値嵩株の占める割合は少ないのだろう。
名目は異なれ、”さわかみ”にしても事情は同じだろう。結果としてトレンドに乗り切れなかったものと推測する。
想定されるもう一つの原因は日経平均3万円突破に伴う投信の現金化だ。解約とまではいかなくとも、特に高齢者の中には、ここで現金化した人が多いのではないだろうか。解約者、換金を希望する投資家が増えれば、ファンドは現金を用意するために持ち株を処分しなければならず、基準価額の下落につながる。
日経平均3万円近辺では、恒常的に換金を希望する投資家が増えていたならば、やはりトレンドに乗り切るための妨げとして働く。
特に”ひふみ”の基準価額は販売開始から6倍にまで成長しており、順当に資産を積み立てていれば、その総額は3倍程度には成長しているはずだ。”さわかみ”は日銀の政策発表見直し以後、指数との差を縮めつつあるのだが、”ひふみ”のパフォーマンスが振るわないのは、この辺にも理由がありそうに思う。
パフォーマンスだけを見れば、アクティブ・ファンドに投資するよりもインデックスに投資しておけばよかった、ということになる。一方、指数とファンドの日々の変動(分散)を比較した上での期待リターンを計算すると、必ずしもそうではない。
年初来パフォーマンス 実際のリターン |
期待リターン 対TOPIX |
期待リターン 対日経平均 |
|
さわかみ | 107.24 | 106.62 | 103.06 |
ひふみ | 104.15 | 104.01 | 101.86 |
ひふみワールド | 111.43 | 106.09 | 102.82 |
ポートフォリオ | 111.89 | 103.28 | 101.52 |
リスク⇔リターンのバランスから比較すれば、日経平均に対しては、どのファンドも期待以上のリターンを上げているのが分かる。
とはいえ「インデックス投資にしておけばよかった」は、TOPIXに対しては妥当な結論なのだ。
ポートフォリオは3月26日からパフォーマンスが低下し、今日、4月1日に”ひふみワールド”と首位交代した。ポートフォリオは前日比-0.07%。特に数銘柄、足を引っ張る牽引役として機能することになった。原因は、
・下落率は小さいが、構成比率による影響が大きく作用した。
・下落率は大きく、影響がそのまま作用した。
・吸収合併により、売り筋も付いてきた。
特に金融銘柄は、アルケゴスの件とは直接関係なくとも、関連して売られている印象だ。