先日投稿したWindows 11に関する話題が、その公式発表に合わせて、思いがけずアクセスを集める結果となった。金曜日から、該当記事へのアクセスが途切れない。このブログで、これほど1日でアクセスを集めたのは、Windows 10 1903がリリースされたときのトラブル回避策*1について投稿して以来だ。
このブログは企業、大学からの参照が多く、読者の多数派は大学生かサラリーマンと見当をつけている。先のトラブル回避策にしたところで、当時の週末アップデート対応からのアクセス集中が確認できたので、特に対応作業中のIT部門スタッフが参照していたのだろうと推測していた。今回はそれ以外の一般ユーザーにも、多数参照されているようだ。
今回の投稿ではTPMやUEFIなど、Windows 11を個人でインストールするための情報ではなく、それを組織で導入、展開する前提での情報についてまとめている。一般ユーザーよりも、エンタープライズ・ユーザー向けの情報だ。
OSはまだリリース前で、今後の仕様変更の可能性も大いにあり得るため、考察は抜き、公式の情報ソース紹介を中心に、そこから読み取れる情報を添えている。
OS全体の概要
まず概要レベルの情報だ。マーケティング用途の情報ではなく、あくまでも公式な技術文書、ドキュメントとしての情報はここにある。
- 概要
- 要件
- 計画
- 準備
に分けられており、特に後半2つはエンタープライズ・ユーザー向けだ。Windows 11の社内展開に関する情報の概要が記されている。
docs.microsoft.com
エンタープライズ向けのPCはストレージのクローン、キッティングを経て提供されることが多いものと察する。そのため、現在MBRモードでインストールしたWindowsを運用していたとしても、GPTモードへ変換して対応することはしないだろう。新しいPCの再配布で対応することになるのではないだろうか。
仮に求められるとしても、非常に限られた代数に対する個別対応で済ませることだろう。その場合の手順は、コンシューマ向けと変わらない。次の投稿が参考になるはずだ。
impsbl.hatenablog.jp
OS新機能の情報
Windows 11が提供する新機能について、話題毎の詳細をここから辿ることができる。
docs.microsoft.com
画面下部、中央に固定配置されるスタート・メニューが物議を醸している。そのカスタマイズについての情報は、「New customization options」から確認することができる。
例えば、次の2項目を参照すると、基本的に、カスタマイズ情報はXML、JSONファイルに記録されており、直接編集できることが読み取れる。使用可能なアプリケーションのショートカットや言語設定など、組織の要件に応じた仕様を、PCのキッティング、展開時に実装する仕掛けだ。
残念ながら、タスクバーの配置を変更するパラメータは見当たらない。
docs.microsoft.com
docs.microsoft.com
ハードウェア・レベルの情報
Windows 11の対応HWについて、特にCPU要件に関する話題が盛り上がっている。ここでは、Microsoftが想定しているPC全体の環境について、その情報を公開している。
docs.microsoft.com
概要レベル
その概要レベルの情報が、同ページの「Download minimum hardware requirements」から、PDF文書としてダウンロードできる。同文書を少し紐説いてみると、例えば次のことが分かる。
System firmware must be compliant with the UEFI Specification Version 2.3.1 Errata or higher.
UEFI (Unified Extensible Firmware Interface)にも仕様があり、そのVer 2.3.1以上でなければならない、とされている*2。このバージョンが搭載されたマザーボードは2012年頃にリリースされたものだ。そのサポート期間を長く見て5年と想定したとき、仮に2017年に最後のファームウェア・アップデートが提供されたとすると、丁度、第7世代Intel iシリーズがリリースされた時期と重なる。とはいえ、当時のマザーボードには第6世代Coreも載せられないのだが。
どちらが鶏で、どちらが卵かは分からないが、Windows 11がサポートするCPUから、第7世代以前が切り捨てられた根拠に通じそうな感じがした。
今後登場するであろうカメラ内蔵モデルには、プライバシー・シャッターと、カメラが作動中であることを示すLEDが搭載されるかもしれない。
きっと一部のセキュリティ担当者は、「席を離れるときは、あるいはミーティング中以外は、カメラのシャッターを閉じなさい」といった運用を社内マニュアルに追記することだろう。
OEM is strongly encouraged to add additional physical controls in the form of camera privacy shutters. Devices that run Windows 11 may optionally include notification LEDs (NLEDs) or On-air indicator LED which provides visual notification when camera is in-used.
詳細レベル
詳細レベルの情報は、ハードウェア互換プログラムの資料を確認するしかない。これは開発者向けの資料で、記述が多岐にわたっているが、目的とする項目に絞って参照すれば、読み解くのは、それほど困難ではない。
docs.microsoft.com
ダウンロード・ファイルには、4つのPDFファイルが格納されている。目を通すのは、最初の2つだ。
- Component and Peripherals
- Systems
- Filter
- WHCP policies