これは2008年に投稿したエントリーで、以前のブログから引き継いだものに加筆したものです。
中途半端ではあるのですが、TOGAF関連の情報は次のwikiにまとめています。
seesaawiki.jp
このエントリーは、その放置しているブログから引き継いだものです。情報は2008年のもので、TOGAF 8の内容に基づいています。wikiはTOGAF 9のものです。wikiと併せてご参照ください。
TOGAFのAFはArchitecture Framework。フレームワークとは開発手法やツール。TOGAFとはアーキテクチャ開発のための手法やツールをまとめたものと言えるでしょう。
よくEA (Enterprise Architecture)と呼ばれますが、そのようなArchitectureを開発するためのフレームワークのひとつです。
まずアーキテクチャの定義を確認すると、ANSI/IEEE Std 1471-2000では次のように定義されています。
The fundamental organization of a system, embodied in its components, their relationships to each other and the environment, and the principles governing its design and evolution.*1
TOGAFではこの定義に倣い、次のように定義しています。
A formal description of a system, or a detailed plan of the system at a component level to guide its implementation*2
The structure of components, their inter-relationships, and the principles and guidelines governing their design and evolution over time.*3
アーキテクチャというのは、「コンポーネント群(システム)に対するデザイン、展開についての指針をまとめたもの」と言えそうです。
システム実装に関する詳細設計がアーキテクチャというわけではないので、具体的な実像を指し示すものではなく、かなり漠然とした抽象的な世界を指し示すものになります。
ちなみにEAのE、エンタープライズはTOGAFでは次のように定義されています。
an "enterprise" as any collection of organizations that has a common set of goals.*4
あくまでも、「ゴールが同じ」組織の集合体なわけですから、必ずしも、
enterprise = 企業
とは限らないということです。*5
そのような組織のためのアーキテクチャを開発するための手法、ツールを提供するTOGAFは、次の要素から構成されています。
The TOGAF ADM (Architecture Development Method)
いわゆる開発手法。特徴は、
- 反復式のアプローチ。
- Viewを用いて、複雑に組み合わされた要件を整理する。
The Enterprise Continuum
アーキテクチャ資産、それはたとえばモデルだったりパターンだったり、アーキテクチャに関する記述もそう、そのような知識の集積を指しています。Virtual Repositoryと呼ばれます。
The TOGAF Resource Base
文字通り参照モデル。TOGAFではBB (Building Block)と呼ばれるビジネス機能、サービスを組み合わせてアーキテクチャを構築します。その構成の基礎中の基礎を提供します。ここには次の2つのモデルが含まれており、
- The TOGAF Foundation Architecture
- III-RM (The Integrated Information Infrastructure Reference Model)
特に前者は、さらに次の2つを含んでいます。
- TRM (The TOGAF Technical Reference Model)
- SIB (The TOGAF Standards Information Base)
これらを図示すると、このようにまとまります。
こちらのWikiも参考に、ご参照ください。