かつて運営していて、今は放置しているブログにTOGAF関連の情報を求めてのアクセスがあることに気づきました。中途半端ではあるのですが、TOGAF関連の情報は次のwikiにまとめています。
seesaawiki.jp
このエントリーは、その放置しているブログから引き継いだものです。情報は2008年のもので、TOGAF 8の内容に基づいています。wikiはTOGAF 9のものです。wikiと併せてご参照ください。
Phase C: Information Systems Architectures
Information SystemsというといかにもITな感じですが、実はそれほどでもありません。
そもそもArchitectureというのは非常に抽象的な世界のお話で、Systemsとは言え、ITシステムの具体的な設計、実装案、詳細設計を行うのではありません。っていうか、それは絶対やっちゃダメ。
Information Systems Architecturesでは、データ、アプリケーション・ドメインにおけるアーキテクチャ策定を行います。
具体的には、Business Architecturesでまとめたアーキテクチャを実現するためには、どんなITシステム(データ、アプリケーション)を構成するのか、をアーキテクチャとしてまとめるわけです。
どういう実装のシステムにしようか?をアーキテクチャとしてまとめるのは、この次のTechnology Architectures。
このフェーズでは、異なる2ドメインのアーキテクチャを策定する都合、1フェーズ内で2回のアーキテクチャ活動を行うことになります。それぞれの活動をの説明は次回以降として、今回は個別説明に移る前の概要説明です。
Information Systems Architecturesは次の2つのアーキテクチャ活動によって構成されています。
1. Data Architecture
2. Applications Architecture
必ずしもこの順番で活動するわけではなく、場合によっては並行稼働することもあるでしょうが、セオリーとしては前者が先。一般的に、
top-down design and bottom-up implementation
と呼ばれる、ドメインの順番通り、つまりTOGAFのフェーズ順にデザインを進め、
ビジネス→データ→アプリケーション→テクノロジ
その実装は矢印の逆を辿るというアプローチになります。
このアプローチに関連するキーワードが、Steven H.SpewakのEAP (Enterprise Architecture Planning)で推奨されているData-Driven。これは、
1. application systems that create data
データを生成するアプリケーション
2. application systems that process data
データを加工するアプリケーション
3. application systems that archive data
データを保管するアプリケーション
の順序で実装するとイイんじゃないの?というアプローチ。TOGAFは他のフレームワークとも柔軟に連携するので、一緒に語られることが多い話題です。
[INPUTS]
Phase Cでは、次の成果物を参照します。
・Application principles(もしあれば)
・Data principles(もしあれば)
・Request for Architecture Work
・Statement of Architecture Work
・Architecture Vision
各ドメインのアーキテクチャ、Ver0.1が含まれていることに注意
・Business Architecture Ver 1.0 (BA/TA)
・Enterprise Continuum
・技術要件
・ギャップ分析結果
・再利用可能なABB
最後の3つについては、Phase BのOutputsを直接引き継いでいるのがポイントです。
当然のことながら、これらはData/Applicationsのアーキテクチャ活動において、Inputsとして参照されます。
Outputsについては、Data/Applicationsのアーキテクチャ活動の説明時に紹介します。