かつて運営していて、今は放置しているブログにTOGAF関連の情報を求めてのアクセスがあることに気づきました。中途半端ではあるのですが、TOGAF関連の情報は次のwikiにまとめています。
seesaawiki.jp
このエントリーは、その放置しているブログから引き継いだものです。情報は2008年のもので、TOGAF 8の内容に基づいています。wikiはTOGAF 9のものです。wikiと併せてご参照ください。
Phase B: Business Architecture
前エントリから続く。
7. Complete the Business Architecture
アーキテクチャ策定作業を終了するにあたって、諸々の検討事項とその結果を文書にまとめる必要があります。具体的には、
・各ABBの文書化
・最終ビジネス要件
・ABBのマッピング
・BB選択決定の論理的根拠
・活動履歴報告
・Business Architecture文書
アーキテクチャ活動には、何かにつけミーティングやレビュー、文書作成が伴います。プロジェクト・マネージャの活動の8割ほどはコミュニケーションに費やされると言われますが、アーキテクチャも似たような感じです。
8. perform GAP Analysis and create Report
アーキテクチャ活動において常に登場するのが、先のトレード・オフとギャップ分析。ギャップ分析ではBA、TAに含まれるABBを比較します。
- BAに含まれているのに、TAには含まれていない要素は、正式に削除されたものなのか
- BAに含まれていないのに、TAには含まれている要素は、新たに必要とされる機能なのか
- もしくはそれらは見落としや取りこぼしなのか
そんなことを洗い出し、最終的に何が足りないのか、必要とされているのかを特定します。
ギャップ分析では、通常matrixを記述して作業を進めます。
縦軸にBAに含まれるABBを、横軸にTAに含まれるABBを網羅します。どちらがどちら側でも良いじゃないかと言われればその通りなのですが、公式文書をはじめとして、何かにつけこの順番です。
BAの軸(縦軸)の最後のカラムはNew ABB、TAの軸(横軸)の最後のカラムはEliminated ABBとします。
縦軸と横軸のABBをクロスしていって、同じABBが重なるカラムにはIncludedと記載します。
BAには存在しているけれどもTAには存在しないABBについては、それが公式にTAから除外されたものであるならば、Eliminated ABBのカラムに、Eliminatedと記載します。そうでない場合には見落とし、取りこぼしの可能性があるということ。
TAには存在しているけれどもTAには存在しないABBについては、新たに必要とされるABBということで、New ABBのカラムにNewと記載します。
一通りのABBを精査したのち、Eliminated/New ABBのカラムに記載のある項目がギャップということで、対応が望まれるわけですね。
[OUTPUTS]
最後に、結果としてこんな成果物が生成されます。
・Statement of Architecture Work(更新が発生した場合)
・Validated business principles, business goals, and strategic drivers
・Target Business Architecture Version 1.0
・Baseline Business Architecture Version 1.0
・ステークホルダーの関心事項が反映されたシステム全体像
・ギャップ分析結果
・他のドメインのアーキテクチャに関連する技術要件
・Business Architecture Report
・更新されたビジネス要件