昨晩のMicrosoft Eventをライブ視聴した。紹介されたモデルごとに印象的だったことは後述するとして、この投稿での本題はSurface Duo 2だ。その価格と特性から、どこまでユーザーに受け入れられるのかは予想できないが、Duo 2は日本での発売が予定されている。
初代Duoは日本で発売されたなかった一方、WootやAmazon.comでの投げ売りを契機に、一部ユーザーの注目を集めている。かなり特異な特性であることから、特に購入希望者の背中を「押さない」ことを意識して、あまり語られることのない情報をまとめたのが、先日の投稿*1だった。
今回はSurface Duo 2の日本登場に備えて、雑感交じりに公式情報、関連情報をまとめた。
Surface Duo 2スペック
現在公開されている公式情報は、個人向け、ビジネス向けに分けて発信されている。
www.microsoft.com
www.microsoft.com
個人向けに掲載されている技術仕様を参照すると、次の情報が記載されていることが確認できる。「Network and connectivity」を確認する限り、初代と状況に変化はなさそうだ。
NTTDoCoMo | 問題なし |
ソフトバンク | LTE 11未対応 |
AU | LTE 11未対応 |
楽天モバイル | LTE 18未対応 |
初代同様、eSIMを搭載しているのだが、次の記載からキャリア・モデルによっては使用できない可能性があることが読み取れる。
Use of eSIM in Surface Duo 2 may be disabled when purchased from some carriers.
初代との機能的な相違に通じる「UI core features」に相違がある。
初代 | Duo 2 |
---|---|
App Groups | App Groups |
Dual screen windowing | Dual screen windowing |
Dynamic dock | Dynamic Dock |
Dynamic Triple-Lens Camera | |
Microsoft 365 Feed | Microsoft 365 Feed |
Span apps automatically | |
Surface Duo Glance Bar | |
Microsoft SwiftKey Adaptive Keyboard | SwiftKey Adaptive Keyboard |
Universal Search | Universal Search |
Your Phone Companion - Link to Windows | Your Phone Companion - Link to Windows |
Adaptive modes | |
Adaptive Camera |
最も使い勝手に影響する違いは、Duo 2で採用されている「Span apps automatically」だろう。アプリが自動的に2画面に展開される機能と推察できる。これは先日の投稿で触れた「2画面の問題」*2での話題に通じている。
初代では、まず左右画面のいずれか一方でアプリが立ち上がる。それを両画面展開させるために一手間必要なのだ。この手間が省けることになる。
一方、Adaptive系の機能がDuo 2には採用されていない。これは、初代では独自実装されていたものが、Duo 2ではAndroid 11の実装を用いることになったか、端的にカメラとセンサーが刷新されたことに伴い、独立した機能として明記されなくなったことに由来するものと推察できる。
「Surface Duo Glance Bar」はヒンジ部分の通知領域を指している。これは本体スクリーンのヒンジ側曲面部分、本体中央の合わせ目に該当し、本体が折りたたまれると、ヒンジ側背面から曲面部分が覗く仕掛けになっている。これはDou 2の本体特性に由来する、独自の実装だ。
Duo 2だからといって専用ペンを用意する必要はなく、Surface Penとの互換性は従来同様に維持されている。
Supports all in-market generations of Surface Slim Pen, Surface Pen, and Surface Hub 2 Pen
初代同様、Surface Pro用のペンが流用できるので、他社製の互換ペンも同様に機能することだろう。
技術情報
ドキュメント
まだDuo 2の公式技術情報は公開されていないが、初代と同じ系列に追加されるはずだ。例えば、開発者情報は「Create apps for dual-screen & foldable devices」の系列に追加されるだろう。実際、副題に”Surface Duo 2”の文字が確認できる。
Learn how to create apps for dual-screen devices like Surface Duo 2 as well as other foldable Android devices.
エンタープライズ系の情報は、次のページから確認できる。運用管理については初代と大きく変化する要素があるとは思えず、初代の情報がそのまま適用されるのかもしれない。
サポート・ページ
Duo 2はまだ発売されていないため、そのサポート・ページも用意されていない。いずれ初代同様に用意されるはずだ。パッチのリリース情報も、サポート・ページを通じて確認することができる。
余談:その他のモデル、かつてSonyが辿った道
昨晩のMicrosoft Eventをライブ視聴し実感したのは、同社のSurafe Duoに対する入れ込み具合だ。基本的な三本柱を維持しようとしていることを再確認すると同時に、Windows 10、11で区切りを付けようとしている意志が印象付けられた。
Sufrace bookはWindows 11へ移行可能なモデルも存在しているのと同時に、
- モニタ、ベースそれぞれにバッテリを搭載
- モニタ、ベースの電動制御脱着機構
- モニタ、ベースの接続ヒンジ
などなど、独特の機構を備えている。2-in-1のコンセプトを継承しつつ、Intel Evo Platformへ適用しやすい形態として、統合型のLaptop Studioとして結実したのかもしれない。
Surface Pro路線も同様だ。形態に大きな変化はないものの、過去と決別するかのように切り捨てられた要素は多い。
- Pro X仕様への統一。例えばTouch Cover接続ポート。
- microSDスロットの廃止
従来モデルのユーザーが買い換えた場合、従来モデルのTouch Coverを流用することはできない。
microSDが必要な場合、カードリーダーを用いればよいのだが、本体一体型の利便性は損なわれる。
意識してのことなのかは定かではないが、Surface Duo 2も含めて、かつてのSony路線を踏襲しているラインナップなのが印象的だった。
Surface Book Surface Pro |
VAIO Tap VAIO Z Canvas |
Surface Duo | Sony Tablet Type P |
Surface Laptop Studio | VAIO Duo VAIO Fit |