Technically Impossible

Lets look at the weak link in your statement. Anything "Technically Impossible" basically means we haven't figured out how yet.

Exchange 2003のストレージ構成見積 - ツールで自動化 実践編

これは2006年に投稿したエントリーで、以前のブログから引き継いだものです。

前エントリーからの続き。
github.com

Exchange 2003のストレージ構成見積 - まずはザックリやる。

のエントリーに基づいて、

ユーザー数:1000人
メール・ボックス・サイズ:100MB
調整係数:2.0
ストレージ・グループ: 2
で入力してみます。
f:id:espio999:20140518134556g:plain

まずこんな結果が出ました。
f:id:espio999:20140518134628g:plain
全体として400GB必要ですが、2組のストレージ・グループに分割するので、ストレージ・グループ一つ当たり200GB必要となる計算です。

その結果をディスク構成を踏まえて落とし込んだ結果がこちらです。
f:id:espio999:20140518134649g:plain
ストレージ・グループを形成するRAID構成毎に、必要なHDD数とその容量を導き出しています。
例えば、RAID01で構成することを考慮するならば、4本のHDDで構成し、1本当たり100GBの容量が必要になると言うことになります。
RAID5で構成するならば、I/O比を低く見積もるか高く見積もるかによって、12-13本のHDDが必要となります。そのとき、HDDは1本当たり、最低でも17-19GB必要となります。17-19GB!?そんなHDD、いまどき手に入りますか!?

と言うことで、現在入手できるだろう、最低容量のHDDサイズを入力します。例えばHPにオーダーすれば、現在72GBが最低クラスでしょうか?もちろん、無駄が多くても構わないと言う方なら、100や300と言う値を入力しても構いません。ここでは72とします。
f:id:espio999:20140518134722g:plain
その入力に基づいて再計算した結果がrecalculationに表示されます。本来の計算結果によるHDD容量と、入力したHDD容量で構成した場合の容量が比較します。
f:id:espio999:20140518134747g:plain
RAID5構成の場合、17-19GBのHDD(もしあればの話)で構成した場合は204-209GBと無駄の無いストレージ・グループを構成できるわけですが、そんなHDDは入手できないために72GBのHDDで構成せざるを得ないわけです。その時、ストレージ・グループは792-864GBとなります。無茶苦茶over specですね。でも仕方ないです。記録密度の向上により、HDD1本当たりの容量も大きくなると同時に、低容量のHDDはline-upから外される。そういう時勢なんです。
でもそんな余分なスペースも、他の用途に利用できますから、必ずしも無駄と言うわけではありません。

必ずしもこのファイルを利用してキッチリ見積もりしましょう。ガッチリ、タイトに機器構成しましょう、と言う意図ではありません。全エントリでも触れましたが、MSをはじめ各種ベンダーのコンサルタントであれば、これよりも更に精緻なツールを利用しているはずです。あくまで、社内SE向け。
社内SEだから内製でやる!と言うのも良いですが、そのための見積もりツールと言う意図ではなく、他のベンダーにお願いする際に、その提案、見積もりが本当に妥当なのか自身で検証してみる。その際の一助になるツールという意図なのです。
ついでに、提案、見積もりをもらってから検証するのではなく、最初に自身で構成見積もりしてみた上で、そのヴォリューム感を掴み、その上でベンダーとの提案、見積もりに臨むのが理想的でしょうね。

最後に、このツールでのout of scopeと申しますか、あえて無視した点について。

1.HDDのホット・スペア、ならびにその本数
2.不均一な容量のストレージ・グループによる構成

などなど。他にも考えが足りない部分があるでしょう。気になる人は、ご自身で追加、修正してみてください。なんせExcelだから。

そして、一つお願い。もし間違い、考え方の誤りなどを見つけた際には、ご一報いただけると嬉しいし、ありがたいです。そして、ご自身で追加、修正していただけると、さらに嬉しいし、ありがたいです。なんせExcelですから。