Technically Impossible

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Exchange 2003のストレージ構成見積 - まずはザックリやる。

Exchange 2003のストレージ構成見積 - まずはザックリやる。

これは2006年に投稿したエントリーで、以前のブログから引き継いだものです。

Exchange 2003を導入するに当たり厄介なのがストレージ構成の試算。初めての導入でどのようにストレージは構成されるべきなのか?特に、新規導入における、従来のメール・サーバーからの切り替えにあたり、多少オーバー・スペックながらもパフォーマンス的に問題の出ない見積もりをしてみましょう、というのが今回の解説。


1.前提知識
Exchange 2003は下記スペックのサーバーで5000人を収容可能とのこと。

CPU: Xeon x 4
RAM: 4GB

RAM: 4GBは事実上の最大値。4GB以上のRAMもサポートしているけれども、何かと無用な問題を持ち込むらしい。
この前提を素直に受け入れるならば、ある程度の規模は1サーバーで吸収可能ってことだ。


2.設計思想
容量よりもパフォーマンスを優先する。構成HDDの総容量と実際に必要なデータ・サイズを比べると、前者のほうが圧倒的に大きくなるかもしれない。理由は以下の通り。

・記録密度向上により、最低容量のHDDでもかなりの大容量となってしまう。
・大容量HDDを少数利用するのではなく、小容量HDDを多数利用する。
スピンドルを分散させることによりパフォーマンスを稼ぐ。

構成次第では、実際の使用量に比べて余裕のありすぎるストレージ構成になってしまうけれども、容量だけを見てオーバー・スペックとは言わないこと。


3.パーティショニング
MS推奨構成に従って次の論理ドライブ構成をとる。

=====[ SYSTEM ]=====
c:\ - OS、Exchange
d:\ - CD-ROM
e:\ - ページ・ファイル

=====[ Storage Group(以下SG)]=====
drive1:\ - キュー
drive2:\ - トランザクション・ログ(以下TL)
drive3:\ - データベース(以下DB)

各SGは上記3ドライブ構成で1組。この組を必要な数だけ構成する。

さて、SYSTEM側のHDD構成、RAID構成は冗長構成さえ確保しておけばOK。おそらく3-4本のディスクでRAIDを構成してhot spareでも付けておけば十分と思います。問題はSG。

ユーザー数×メール・ボックス・サイズ×調整係数×2

調整係数は、そのメール・ボックスがどれだけ拡張されうるのかを考慮して設定します。そして、最後の2は「使用量がドライブ容量の半分を超えない」というポリシーを維持するためです。

ここから、その合計サイズを収容できるサイズのストレージを見繕って、ザックリとした見積もりで構成してしまう。例えば、

ユーザー数:1000人
メール・ボックス・サイズ:100MB
調整係数:2.0

とすると、

1000 x 100 x 2 x 2 = 400GB

少なくとも、SGのDBには400GBの用量を確保しておけば良いわけです。でも、一つのSGに1000人分を丸ごと割り当てる?じゃあ、一つのSGに500人分を割り当てて、それを2組用意することにする。すると、DBには200GB必要ということになります。

じゃあ、TLはどうだろう?TLのサイズは1ファイル5MB。1週間分のログを確保する前提で、4000ファイル/週とするならば、

5 x 4000 = 20GB

必要ということになる。ちなみに、この4000という数字は思いつき同然の適当な値。

キューのストレージはそれほど必要ないと仮定すると、全体のストレージ構成はこんな感じになるだろうか?

drive - 1: 72GB HDD x 5 = 144GB (RAID01 + Hot Spare)
drive - 2: 72GB HDD x 5 = 144GB (RAID01 + Hot Spare)
drive - 3: 146GB HDD x 7 = 438GB (RAID01 + Hot spare)

メールのトランザクションがそれほど気にするほどでもなく、ヘビー・ユーザーの比率もそんなに多くないのであれば、きっとこの構成で問題ないと思う。
DBの使用量も該当ドライブの全容量の半分は超えないようにしているし、RAID01で組んでるしね...問題無いよ、きっと。

でも、机上の空論、理論値でも良いから、もう少しまともな理屈に従ってストレージ構成出来ないものだろうか?というわけで、次回はもう少し厳密にストレージ構成を試算してみようという話

参考資料
docs.microsoft.com
www.atmarkit.co.jp