今晩、昨晩と出席した講座から、今後の資産運用についての思いつきを走り書きする。
昨晩の講座は、毎月出席しているもので、経済学者が講演する。話題はいつもと大差ないものだった。印象に残ったのが、講師の一言だった。要旨は次のようなことだった。
40年以上マーケットに関わり続けてきた。これまでは良識、常識のようなものが存在していたが、現在のマーケットには常識がないように見える。
確かに8月21日に、グローバル市場が同期しており、全資産で損失を出す危険について報道されていた。
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今晩の講座は年に1~2回開催されるもので、ファンド・マネージャーが講演する。PMIの推移、東証上場企業の四半期売上高、営業利益の比較推移のチャートに基づいて、次の話題が提供された。
- 現状は2015~16年ごろの状況に似ている。
- 当時と現在の大きな違いは米中貿易戦争、日韓関係。
- チャートの周期を辿れば、4~5半期で回復の兆しを見せるが、2が大きく影響する。
チャート上の周期を充てにするならば、これから4~5半期先とは2020年後半から2021年あたりだ。現在のトランプ大統領任期も2021年1月までだ。一方、米中貿易戦争はトランプ大統領の再選、中国の姿勢変化を考慮すると、2025年まで続く可能性がある。
昨年からリセッション入りも継続的にささやかれており、投資の節目、特にリバランス、あるいは長期積み立てを再考すべきタイミングなのかもしれない、と言うことを強く感じた。
考えの前提
低成長の長期化 | いずれ指標は回復するかもしれないが、上昇しにくい。 激しくは上がらない。 |
米中貿易戦争の長期化 | 特に安全保障面の摩擦から、中国依存のサプライチェーン再編完了まで影響が長引く。 |
人手不足 | 日本だけでなく、世界的な傾向。 |
考えの材料
中国
長征 | give upしなければ勝利、の前提。 中国覇権の戦い、超長期戦を継続する。 犠牲を厭わない。 |
中国の姿勢に変化が訪れるタイミング。 | トランプ大統領の任期終了を待つ。 |
日本
日米政策金利差の縮小 | 円高進行。外需企業には厳しい。 |
消費税増税と駆け込み需要 | 駆け込み需要の兆候なし。 内需は現状維持か、さらに冷え込む。 |
年金問題 | 買い控え、節約志向 生活必需品を除く、内需系企業にも厳しい。 |
日銀出口戦略 | 金融緩和の手詰まり、ETF買い支え余地も少ない。 |
長期下落圧力 | 日銀出口戦略 労働人口縮小 |
オリンピックのジンクス | オリンピック終了後は景気後退 |
東南アジア
教育、ノウハウ、人材の厚さ | 日本レベルにキャッチアップするのが難しい要因。 不平等社会 華僑経済圏 |
人口増による内需拡大 | 成長期待要因 |
資材、部材の輸入依存 | 高付加価値商品を輸出できなければ、長期成長できない。 |
特にインデックスを主体にした長期積み立て投資の前提では、不況期は絶好の買い場だが、それはいずれ訪れる好況期を前提にしている。底値に向かう下降期間も黙って積み立て続けるのがセオリーだが、その期間が長期化するならば、トレンド変調の兆しが見えるまで、積み立ては止めることも選択肢に含めておくべきなのかもしれない。
余談
バークシャー・ハサウェイの現金配分が高まっている。2080億ドルのポートフォリオ中、1220億ドルが現金だ。
Buffett’s Been Quiet, But His Philosophy Still Speaks Volumes