4Kの映像出力環境へ移行したとなると、次に用意したいのが4Kにフィットした壁紙です。それもdot by dotで精細に表示できるもの。
まず最初に考えるのが、これまで利用していた壁紙を流用することですが、アスペクト比が異なったり、Windowsの自動伸縮により画像がぼやけてしまったり、神経質な不満を感じる場面かもしれません。
4K仕様の壁紙を自作するならば、従来の壁紙を可能な限り高精細に拡大できることが重要です。ここでは、そのための拡大ツールと、それらによる画像拡大の比較を紹介します。
最初に結論です。私の個人的な結論としては、次のようにツールを選択します。
- 写真や絵画の拡大で、オリジナルの質感を維持したいならばGimp
- アニメのような均質な質感、明瞭な輪郭を求めるならばwaifu2x-caffe
画像拡大に際し、次の3ツールを用いました。
www.gimp.org
sourceforge.net
github.com
Gimpは、その画像拡大機能を用います。
SmillaEnlargerとwaifu2x-caffeは画像のサイズ変更に特化したツールです。特にwaifu~はCUDA、もしくはcuDNNを用いる画像変換にも対応しています。
これらのツールを用いて、次の3種類の画像を拡大変換してみました。
画像の種類 | 変換前のサイズ | 変換後のサイズ | |
---|---|---|---|
Test1 | 精緻な画像 | 1280 x 960 | 3840 x 2880 |
Test2 | ドット絵 | 1280 x 1024 | 3840 x 3072 |
Test3 | アニメ調のイラスト | 1280 x 1024 | 3840 x 3072 |
それぞれのツールによる画像変換結果と、出力結果の印象です。テスト結果のリンクから、比較に用いた画像をダウンロードできます。
Gimp | Smilla~ | waifu~ | テスト結果 | |
---|---|---|---|---|
Test1 | オリジナルの画質に近い質感 | 他のツールに比べると、細部の描写が甘くなった | 全体的に明瞭 | hyperlink |
Test2 | エッジが甘い | エッジが甘く、星空がぼやける | 全体的に明瞭 | hyperlink |
Test3 | エッジが甘い | エッジが甘い | ベタ塗りの質感、エッジが明瞭 | hyperlink |
ノイズの混入、拡大に伴いエッジが甘くなることのトレード・オフで、オリジナルの質感を維持したいならばGimp、質感が変化するリスクはあるものの明瞭な画質を求めるならばwaifu~という選択に結びつきます。
納得できる画像が出力されたら、Gimpなどで画面解像度に合わせてトリミングすればdot by dotの壁紙が完成します。
アスペクト比の維持と、画面の一部を失うトレード・オフが前提のトリミングではなく、あくまでも画面全体の印象を維持したままアスペクト比を目的の解像度に合わせて変換するGimp plug-inも存在します。挑戦してみるのも面白いでしょう。
追記、2021年4月10日
任意の解像度でパターン壁紙を自作する記事を投稿した。
もし関心があれば参照してほしい。
impsbl.hatenablog.jp