気温はそれ程でもないのに、鬱陶しい湿気を感じる。
指先とキーボードのベタツキが不快。
全てがサラサラでいて欲しい。
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1500円のニセAirPodsを分解してわかった中国半導体産業の進化
ホンモノのAirPodsは、ノイズキャンセルや空間オーディオなどを実現するために、片側だけで21個のマイコンチップを搭載している。マイクだけで片側3つのMEMSマイクを搭載し、それぞれのマイクで集音した音を分析することで、ノイズを排除してクリアに声だけ届ける通話を実現している仕組みだ。
銅箔とタッチ制御ICは「耳からつけ外しで再生開始/停止」や「タップして曲送り」などを、高価なセンサーを使わずに安価に実現する方法だ。ホンモノのAirPodsでは、より複雑なセンシングを行っている。
また、高音質なMEMSマイクを口に近い位置に配置しているのは、通話用イヤフォンとして使いやすくする……など、さまざまな設計の工夫が見られる。
製造時の予備が余った場合やプロジェクト中に条件が変わった場合など、さまざまな理由で「手っ取り早く現金化したい」ときはある。そして、そうしたチップの受け皿になっているのが、今回のニセAirPodsのようなニセモノ製品だと考えられる。
自社のWebサイトでは分解写真やメインチップまで自ら公開しているし、広告でもAppleを想起させるものは使っていない。後追い品であっても、ニセモノと呼ぶのははばかられるものになっていて、ケースに堂々と自社ブランドのロゴを刻印しているものさえある。
かつてのアメリカで日本車が「貧乏人のポルシェ」「貧乏人のBMW」などのような呼ばれ方をしたし、いくつかのAndroid機はiPhoneをベンチマークして作られたものだ。しかし、今ではどちらも独自の産業として巣立っている。
一方で、安いニセAirPodsは、出所の不明な部品やマーケティング経路で売りさばかれている、いわば“昔ながらの”ニセモノ。
複雑な機構を精緻に作り込めばブランドになるが、「good enough」なものをリーズナブルに実装しても「安物」としかみなされない。本来、後者も十分クリエイティブで、ブランド価値の伴う行為であるにも関わらず、消費者は本質を見ない、見ようともしない、あるいは見抜けない。結果として妥当な評価を得られず、事実上の「安物」扱いされてしまう。
意図的にニセモノを名乗ることは問題だが、このような本質を評価されない現実が、ニセモノとして商売することを後押しする一面もがあるのではないだろうか。
とはいえ、仮に本質的な評価をされたとしても、より儲かると思えばニセモノを名乗る可能性もあるわけだが。
分解は設計者との対話 楽しい分解のための5つのTips
「分解対象のハードウェアは3個買うといい」。
1つは元に戻せなくなるまで分解する
1つはいじりまわす
1つはなるべく初期設定のままでとっておいて、いじったものと比較する