新型コロナ流行以後、一般的になった事柄の一つとして挙げられるのが、在宅勤務でのオンラン・ミーティングだろう。
業務用として支給されているノートPCには、カメラとマイクが標準装備されているだろうから、それを使用する限り、何も追加装備を検討する必要はない。問題になるのは、自宅のデスクトップPCでオンライン・ミーティングに対応する場合だろう。カメラとマイクへの追加投資が要求される。
音質、画質にこだわるならば、それぞれに適したマイク、Webカメラを調達すればよい。問題はコストだ。また可能な限りUSB機器の接続を増やしたくない、という需要もあるだろう。
この需要を取り込もうとするベンダーの中には、デジタルカメラのうち比較的最近のモデルを対象として、それらをWebカメラとして機能させるための専用ソフトを配布している組織もある。
ところが、次の条件を満たすデジタルカメラであれば、マイク内蔵Webカメラとして機能するのだ。HDMI接続一つで対応できるし、専用ソフトも不要だ。
- 動画撮影可能→マイク内蔵
- テレビ接続機能→HDMI出力可能
この投稿では、RICOH GR DIGITAL IV*1というデジタルカメラをWebカメラに仕立ててみる。
今から10年以上前、2011年のモデルではあるが、FHD、30fps出力可能なWebカメラとして、十分に機能するのだ。
Webカメラ化の仕組み
仕組みは簡単だ。デジタルカメラからのHDMI出力を、PC側で取り込み、その動画をZoomやMicrosoft TeamsなどのWeb会議サービスへ出力すればよいのだ。HDMIキャプチャ装置をPCにUSB接続し、その装置とデジタルカメラをHDMI接続すると、PCは一連の接続機器をWebカメラとして認識する。
必要な機器
従って、PCとデジタルカメラ以外に、次の機器が必要となる。
HDMIキャプチャ「ボード」というのだが、実際のところPCにUSB接続する中継器として販売されているものが多く、リーズナブルな商品であれば直付け可能なUSBスティックとして販売されているものもある。
古いデジタルカメラを前提とすると、HDMI出力はFHD、30fps、つまり1080iを上限とするものが多いため、USBスティック型の機器で十分だ。
HDMIケーブルは、次の事柄に注意すること。
対応バージョンは入出力解像度、フレーム数に影響する。特にType D端子への対応を考慮すると、自ずと対応バージョンはVer 1.4以降ということになるだろう。
この投稿では、次の商品を利用している。
実際にやってみる
デジタルカメラをHDMIキャプチャ・ボード経由で接続する。PCで必要なソフトウェアを起動する。この投稿では、Windows 10に標準搭載されている「カメラ」を起動している。
デジタルカメラの出力をHDMIへ切り替えると、デジタルカメラの液晶画面に表示される画面が、PC側へ出力される。デジタルカメラの設定画面で、HDMI出力解像度を適切なものへ変更すると、デジタルカメラの撮影画面が表示される。
オンライン・ミーティングへの出席に際し、デジタルカメラ撮影に伴う各種表示は不要だろう。同じく、設定画面から非表示を選択すれば問題ない。
10年前のモデルとは言え、趣味性の高い高画質のデジタルカメラだ。ボケも自然に表現されるし、それはWeb会議の動画にも反映される。