好決算でも織り込み済み、好材料出尽くし、と解釈されれば売られる。
雇用回復が期待通りではなくとも、金融緩和が継続される、と解釈されれば買われる。
良いニュースが相場にネガティブに作用し、悪いニュースが相場に対してポジティブに作用しているが、どちらにも共通しているのは、
buy the rumor, sell the fact
ということだろう。
事実で売られている事例が前者で、噂(期待)で買われている事例が後者だ。後者が売られるのは何らかの事実に基づく場合だ。最終的には金融緩和政策の終了、あるいは縮小なのだが、それに通じる話題が材料になる。それに直結するのが雇用急回復だ。
雇用が回復するのは良いことだが、急回復がインフレを併発するのが望ましくないため、テーパリングのトリガーとされている。特に雇用回復が期待されている領域は、いわゆるエッセンシャル・ワーカーの領域だ。この領域が急回復するにあたって必要とされるのは、
- 求人枠
- 就業の意思、必要性
1は既に確保されている。問題は2だ。一説には、失業保険と給付金が阻害要因として作用している、と言われている。
- 9月までもらえるのだし、慌てて働き始める必要がない。
- 給付金だけで生活が維持できる。
- 給料はそれほど高くない。
お金を必要とする人は、9月になれば働き始めるのだろうが、もし需要の高まりから求人枠の給与も高騰すれば、状況はどのように変化するだろうか。9月を待たずとも働きたい人は増えるのではないだろうか。
この時のポイントは、雇用回復の数字を確認する前に、給与の高騰を見てテーパリングを示唆し始めるのではないか、ということだ。このタイミングは、事実を確認する前に売りを誘うはずだ。
エムスリーやソフトバンク・グループなど、いつもの値嵩株が日経平均を牽引したのだが、強かったのはTOPIXの方だ。
TOPIX | 0.99% |
さわかみ | 0.69% |
ひふみワールド | 0.60% |
ひふみ | 0.57% |
日経平均 | 0.55% |
ポートフォリオ | 0.52% |
ひふみらいと | -0.02% |
”さわかみ”も”ひふみ”もTOPIXの勢いに乗り切れておらず、ポートフォリオは、さらに弱い。対TOPIXのリスク・リターン比で見ると、”ひふみ”は徐々に差を縮小しているのだが、それでも1ポイント超の差が開いている。
期待リターン | 実績 | |
さわかみ | 107.51 | 105.09 |
ひふみ | 104.00 | 102.94 |
メディアなどで話題になった影響を受け、最近になって”ひふみ”の積立長期投資を始めた個人投資家は心穏やかではないだろう。さわかみファンドの方がマシなだけでなく、TOPIXの方が圧倒的にパフォーマンスが良いのだから。
自炊プログラミング
プログラミングに関心を持つ人が増えた。その一部は、特にwebサービス系での就業を意識して「エンジニア」を目指しているようだ。両者を使い分けている差異は分からないが、プログラマーではなく「エンジニア」だ。
そのような世相、あるいは社会的な要請を反映してか、プログラムが義務教育にも取り入れられるのだという。その教育がどれだけ有効に機能するかは分からないが、あまり期待できるものではないだろう。しかし、あまり期待する必要なことでもない、とも思っている。
義務教育には家庭科、技術、音楽、美術の様に、全員がその道のプロを目指すわけでもなく、またそれを目指す下地として機能するわけでもないのだが、きちんとこなせば日常生活で有用に作用する科目が含まれていた。プログラムもそのような科目の一つとして捉えることもできる。むしろ、その捉え方が正解の様に感じる。
家庭科で調理法、お菓子作りを習ったからと言って、全員がシェフやパティシェになるわけではない。プログラムも同じではないだろうか。
家庭科の知識を発展させて、日常生活での裁縫や自炊に応用するように、プログラムの知識を発展させて、日常生活で必要とされる、あるいは自分自身が必要とするちょっとしたスクリプトやプログラムを自作できる、その程度の事柄が習得できれば十分ではないだろうか。