Technically Impossible

Lets look at the weak link in your statement. Anything "Technically Impossible" basically means we haven't figured out how yet.

スカウトメールのSPAM化、あるいは候補者集めの杜撰と怠慢

イーキャリアからのスカウトメールを、11:01AMから約6時間、合計92通を受け取り続けた。「スカウト」と言うと聞こえは良いが、実態は「スカウト」という言葉から連想されるようなものではない。送信条件にヒットした対象者への一括送信メールであり、仮に応募したとしても書類選考から始まる。しかも書類選考に対応するのは採用事務局、つまり転職支援会社であり、クライアント企業の担当者ではない。

要求される経験、スキル、資格などが、私自身に対して見当はずれの求人案件が送られ続けるのは、SPAM攻撃同然に感じた。同時に、なぜそのようなことが起こるのか、と色々思うところがある。
イーキャリアはメール送信数のノルマでもあるのか?そもそも送信条件はザルなのではないか?もしくは無駄に多数のメール送信、書類選考に対応することで必要以上の稼ぎを生み出すのか?クライアント企業の採用担当、あるいは人事部も採用活動について杜撰、怠慢ではないのか?などなど。

調べてみると92通のうち70通は、クライアント企業名は異なれども、実際には一つの組織から送られてきたものだった。宛名と○○採用事務局の○○を除いて文面、郵便番号、住所、電話番号は同一だ。メール一覧、並びに文面は、この投稿末尾に掲載している。

今回の件で少々思うところがあり、ブログに認めることにした。

イーキャリアの設定

イーキャリアにはスカウトサービスを利用するかどうかを選択する項目がある。スカウトサービスのON、OFF切り替えとはいえ、実際にはキャリアシートの匿名公開を許可するか、しないかの切り替えだ。
特定の対象企業に対して非公開にすることはできるのだが、その他の設定はない。例えば希望年収、希望職種、業種などの受け取り条件だ。これらの項目はキャリアシート内に記載することになっている。スカウトメールは、それら諸条件が反映されたうえで送受信されると思うのだが、そうなってはいない。だから今日のようなことが起こる。

スカウトメール送信条件

スカウトメールには求人案件の求める経験、スキル、資格などが記載されている。例えば、このような具合だ。

入社4年目まで(就業経験が4年以下)の未経験者。

私のキャリアシートを確認すれば、スカウトメール送信対象とならないことは自明なのだが、送信対象者の絞り込み条件を設定できないのだろうか。また、次のような経験、スキルを求める求人案件もあった。

  • メインフレーム系アプリケーションの開発経験および優れたスキルをお持ちの方。
  • 必須 OpenCV(C++) Kinect for WindowsまたはOpenNI/NiTEを使ったKinect/Xtionプログラミング
  • 商用ECサイトに開発において、課金・認証・ID管理に関わる設計・導入・運用経験のある方

条件は、いずれも異なる求人案件のものだ。どれか一つの案件に当てはまったとしても、他の案件の対象にもなり得る人がどれだけいるだろうか。これらの求人案件すべてに合致する候補者というのは、現実的に考えて希少すぎると思うのだ。送信条件が適当過ぎるのか、事実上機能していないのではないか。

採用事務局はイーキャリアを運営しているSBヒューマンキャピタルなのだろう。スカウトメールに記載されている情報から推察できる。文面には、次の記載がある。

応募者多数の場合は、イーキャリアレジュメにて書類選考させて頂く

イーキャリアレジュメというのは、前述のキャリアシートのことだ。多数の応募者のキャリアシートをすべて読んで選考するのだろうか?私は機械的に選考するのだろう、と思っている。その前提で、なぜ書類選考に利用するフィルタをスカウトメール送信対象者の絞り込みに用いないのか、と不思議に思っている。書類選考条件があるのであれば、それを最初からスカウトメール送信条件に当てはめればよい、と思うのだ。
もしイーキヤリアレジュメの選考に用いることのできるフィルタが無いのであれば、スカウトメールの送信対象者はどのようにして選考されたのか、が新たな不思議である。あるいはスカウトメール送信では選考などしておらず、特定クラスタ(例えばIT業種、職種経験者)宛てに撒き餌のごとく一斉送信したのか、などと推察するところだ。

クライアント企業採用担当の杜撰、怠慢

イーキャリアだけでなくクライアント企業も含めて、人手不足と言われている世の中で、このような採用活動は怠慢であり、杜撰すぎる、と私は感じた。いくら採用候補者集めの初手とはいえ、これで要件を満たす候補者を集められるとは思えないのだ。
「採用事務局」が書類選考するのであれば、クライアント企業が定める経験、スキル、資格は尊重されることと思うが、スカウトメール送信の段階で、それが蔑ろにされているのは自明だ。それらはイーキャリアレジュメによる書類選考段階から尊重されるのだとしても、どこまで尊重されるものだろうか。例えばクライアント企業の中には、このような事柄を指定している組織もいるのだ。

  • オブジェクト指向の正しい理解
  • 相手をリスペクトする気持ち、「ありがとう」をケチらない人
  • 企画からできる方
  • ビジネス・UX・技術の3軸から優先順位を付けられる方
  • 詳細は転職エージェントへお問い合わせください。
  • 手動や非効率なオペレーション業務を自動化したくなる気持ち
  • 3Dグラフィックス、ゲーム物理、AI等の知識がある方 ※未経験者も可能

「正しい」理解とはなんだろう?転職エージェントに問い合わせろ、ということは、ここには記載されていない何かがあるのだろうか?「採用事務局」は、これらの事柄をどのように判定するのだろうか。私には判定できるとは思えない。クライアント企業採用担当も、書類選考をアウトソースするのであれば、第三者が明確に判定できる条件を指定したらどうだろうか。

締め括り

求人案件の条件に当てはまらない、私のような人物へ届くスカウトメールはSPAM同然だ。そのようなSPAM同然のメールであっても、イーキャリアのサービス料金は発生するだろうし、クライアント企業はそれを支払うのだろう。その課金体系を私は把握していないのだが、送信したメール数、対応した書類選考件数に応じて料金が発生するのであれば、それは私には浪費に思える。とはいえ、そのような浪費によって社会が成り立っている前提もあるのかもしれない。合理化できることが分かっていながら、売り上げや保身のため、あえて着手しないこともあるだろう。

企業の中には、採用について次のように真摯に取り組んでいる組織もある。この投稿とも、私とも一切関係のない組織の事例だ。IT業界でも、特にAWS関連の取り組みで有名な企業だ。特に次の引用箇所から、採用活動に取り組む真摯さを感じた。イーキャリアも、それを利用するクライアント企業も、このスカウトメールを通じた取り組みからは、ここまでの真摯さは感じられない。
logmi.jp

応募いただいた機会はすごく貴重だと考えています。なので、どうしたら目の前の人を組織の一員として迎えられるか、ということを真剣に考えます。活躍する人として、そうした場を用意できるのか?

なので、そういったことをおうかがいするための質問や試験などをやっています。そして、その中で「できること」と「できそうなこと」と「やりたいこと」をきっちり整理して考えるんです。

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