これは2007年の投稿で、以前のブログから移行したものを加筆、編集したものです。
PMP受験と、その対策学習をプロジェクトとして捉えるならば、計画として次のような事柄に注目するかもしれません。
- 受験日までの学習期間
- 学習期間と学習範囲の配分
- 学習方法と、定着度合いの確認方法
本格的に学習を始める前に、具体的な事柄を整理、検討することは有意義ですが、抽象的ではあるものの方針や戦略として、前提になる事柄に注目することも有意義です。その考え方を前提に、取り組み方を検討することで、ただ必要な情報を暗記し、問題集を繰り返すことで定着を確認するルーチンを脱し、過程を効率化することができます。
ここで紹介するのは、私の考え方、取り組み方の紹介です。
- 考えて回答する
- 理詰めで回答する
ための学習と、その取り組み方です。
自身の経験、知識を活かす。
時間は限られていますから、勉強時間は極力短縮したいものです。その時間を短縮するためには、自身の経験や知識でカバーできる範囲を増やします。とはいえ、PMPはPMBOKに対する理解を問うものであり、受検者自身の経験に基づいたマネジメントが問われるわけではありません。セミナーや参考書でよく語られることです。そこで、PMBOKの説明に基づいて、自身の経験、知識を再解釈します。
PMBOKで語られる事象を、自身の業務、経験、知識に当てはめていくと、直感的な理解に繋がります。PMBOKで語られる話題が、自身の経験、知見と結びつけば、PMBOKの該当箇所を学習する時間を減らしたり、優先順位を落とすことができます。
全体から詳細へ。
PMBOKがカバーする内容は膨大です。各プロセスを個別に潰して行くのが王道かもしれませんが、どこかで躓いたり、飽きたり、進捗の悪さに挫折してしまうこともあるかもしれません。まずは全体を抑えて、ある程度の内容を直感的にカバーしてから、詳細を詰めていきました。
この目的のために、エントリ末尾の参考書に目を通しました。PMBOKを読み進めることは苦痛ですが、そもそも最初から終わりまで、通しで読み進めるように書かれていません。1冊でプロジェクト・マネジメントの概要、全貌をつかめる本を数冊読めば、学習に着手するための知識的な下地、足場を作ることができます。結果としてPMBOKの理解が楽になります。
暗記しない。
得意、不得意は人それぞれですが、私は全く暗記ができません。覚えてもすぐ忘れるだけでなく、暗記に取り組もうとしても、やる気がでない、集中できない、眠くなると、体が許してくれません。大学受験の頃から分かっている特性なので、PMPに限らず、試験対策では常に暗記の負担軽減を意識します。そのために、覚えなくても考えたら分かる、回答できるように勉強します。
勉強の方針として常に意識しているのが『間違いだらけの学習論』です。次のことを意識して学習します。
無意味材料の有意味化
各プロセスの意味、目的を理解します。ポイントを押さえて数行に要約します。Input/Tool/Output(以下ITO)についても同じことをします。言葉は覚えません。あくまで意味、目的を理解します。ここで前述の経験、知識が生かせると勉強時間を削減できます。
勉強方法
「全体から詳細へ」が勉強の基本方針です。書籍を読むことで全体を把握し、詳細を埋めていくために勉強します。全体把握から詳細理解までの過程で得た事柄を、自身の経験や知識と結びつけます。それでも足りない事柄は、考えて回答にたどり着けることを目指します。エントリ末尾の問題集を利用しました。
次の特性から、問題集は模擬試験として機能しないのですが、考えて回答するための練習に利用します。
- 試験問題に比べて素直な問題が多い。類題が出題されるわけではない。
- 試験問題、選択肢は英語であり、その日本語訳は問題集ほど自然ではない。
具体例
あるプロセスの知識が中途半端です。該当プロセスのITOが問われたとします。
該当プロセスを中途半端ながらも知っているように、選択肢に示されたITOについても中途半端に知っているならば、選択肢が意味するものを予想できるはずです。ここで論理的に考えます。次の様なことを考えながら回答します。
- 問われているプロセスは~をするところ。
- この選択肢は、該当プロセスには不要なのではないか?必要ならば何のためか?
- この選択肢はInputではなく、Toolではないか?
選択が間違っていたらPMBOKを読みます。問題集の回答、解説には参照すべきPMBOKの章番号が記載されています。該当部分だけを読みます。
該当箇所を確認する際に意識することは、
- 正答の選択肢そのもの
- 誤答の選択肢が、該当プロセスでIOTとされていない理由
- もし選択肢がInputでなければ、その選択肢は該当プロセスでは必要とされていない、なぜか?
- もし選択肢がToolでなければ、その選択肢は該当プロセスで利用されない、それを利用する活動をしていない、なぜか?
- もし選択肢がOutputでなければ、その選択肢は該当プロセスで発生しない、それが発生する活動をしていない、なぜか?
いずれにせよプロセスかITOに対する理解が不十分であり、その理解を深めるには「全体から詳細へ」を経る必要があります。その理解が、ある程度の段階までに達すると、プロセスとITOマトリクスを丸暗記することなく、問題に回答できます。
「考えて回答する」、「理詰めで回答する」とは、このようなことを意識しています。丸暗記ができない、最小限の努力で「ある程度」の結果を期待するための合理的な道のり、だと私は考えています。
参考書
無意味を有意味に変化させるには、その対象を理解する必要がありますが、すでに知っている。経験していることであれば表現を変えるだけで無意味が有意味に変化することもあります。その点について、参考書の一つ『空想プロジェクトマネジメント読本』は有意義でした。今となってはPMBOKの対象バージョンが古いのですが、リスク管理や調達マネジメントなど、プロジェクト・マネジメントの観点から宇宙戦艦ヤマト、ゴルゴ13、シャアや矢吹丈などを考察します。
プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル―論理と知覚を磨く5つの極意
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問題集
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iStudy for PMPという問題集パッケージを利用していたのですが、2019年2月現在、販売されていません。iStudyの取り扱うPMP関連の製品は全て学習講座になってしまいました。