I/Oシールドとは、PCのマザーボードで各種接続端子が集まっている部分にあてがう金属部品のことだ。
- I/Oパネル
- バックパネル
と呼ばれてることもあるが、すべて同じ部品を指している。この投稿ではI/Oシールドで統一する。
新品のマザーボードを購入すれば、まず間違いなく付属している部品だが、中古では付属していないことがある。そして厄介なのは、あまり意識されることのない部品であるため、購入時にも、その有無を意識していないことが多いのだ。むしろ、添付されていて当たり前、くらいの意識でいることもある。
じゃんぱらのように、購入時に教えてくれる親切なお店もあるのだが、これは例外的なケースだ*1。そして、そういう時、いざ組み立てる場面になって初めて、I/Oシールドがないことに気づくことになる。
事情はどうあれ、I/Oシールドの自作を迫られる場面があるということだ。とはいえ、自作とは少々大げさな表現だ。使用するのもハサミとスティックのりという、実際には「工作」のレベルの作業に過ぎない。この投稿では、その工作方法を紹介する。
作業方針
本来、自作PCにとってI/Oシールドは不可欠な部品と言うわけではない。ただPCケースの接続端子が露出する箇所は大きく開口されており、塵や埃、ゴミの侵入には気を使うところだ。従って、I/Oシールドを自作するならば、帯電しない(静電気を生じない)素材を用いることは、最低限の要件としたい。
加えて、加工のしやすさを意識すれば、厚紙が適当ではないかと思うのだ。そこで私は牛乳パックを用いることにした。
I/Oシールド上に開口部はマザーボードによって異なるのだが、外形寸法は共通だ。まず実寸大の大きさを把握する。自作用の金属製I/Oシールドのサイズによると
長辺 | 163mm |
短辺 | 49.5mm |
マザーボードに取り付けられた端子、ならびにPCケースの加工精度は、それほど精密ではないので、取付時のフィッティングに伴う調整余地も加味して、次のサイズとした。
長辺 | 165mm | I/Oシールド本体=155mm 左右タブ=5mm x 2 |
短辺 | 50mm | I/Oシールド本体=40mm 上下タブ=5mm x 2 |
I/Oシールドから各種端子が露出する開口部を設けるに際し、実際にマザーボードの端子部へ素材をあてがい、印をつけ、切り抜いてもよいのだが、もし本来のI/Oシールドに相当する画像が見つかれば、それを実寸大にリサイズしたものを印刷して、型紙にできれば理想的だ。
型紙の元ネタ探し→I/Oシールドの画像入手
まず目的のマザーボードのモデル名などでインターネット検索し、画像を漁ってみるとよい。この投稿では、ASRock H670 PG Riptide*2を前提にしている。I/Oシールドの画像は公式サイトだけでなく、より大きな画像が次のサイトに掲載されているのを見つけた。
型紙の作成→I/Oシールド画像の加工
I/Oシールドの画像をダウンロードし、お好みの画像編集ソフトで開く。ここではGimp*3を用いる。
まず画像から余白を削除し、I/Oシールドだけの画像を生成する。次のように操作し、リサイズ画面を開く。
Image > Scale Image...
リサイズ画面では、単位を"millimeters"へ変更した上で、先に調べた実寸サイズをWidth、Heightへ入力する。
この状態でGimpから印刷すると、実寸大の画像が出力される。これを型紙として利用する。
簡単な工作→I/Oシールドを切り出す
後は簡単な工作だ。
- 画像を切り抜く→型紙
- 型紙を牛乳パックに貼り付ける
- 牛乳パックから型紙部分を切り抜く
- 型紙の端子部分を切り抜く
端子部分を切り抜く時は、まず印字よりも小さめに切り抜き、マザーボードに当てて具合を確認しながら、切り抜きを大きくして行くと、失敗を回避しやすい。
余談
何らかの事情により、IOシールドの自作に至ったユーザーは少なくないようだ。アルミテープを巻き込んだり、インテリアシートを貼ったり、それぞれ様々な工夫が見られる。
一番最後に掲載している動画は、先に紹介した自作用の金属製I/Oシールドを用いた事例だ。
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