Web Analytics

Technically Impossible

Lets look at the weak link in your statement. Anything "Technically Impossible" basically means we haven't figured out how yet.

ファイヤークリスタル/THE FIRE CRYSTAL プレイ編 - 蘇るPC-8801伝説 永久保存版

ちょうど2023年末にゲーム『ブラックオニキス』を遊んでいた。そのまま、その続編である『ファイヤークリスタル』にも着手するつもりだったのだが、カルマの異常に気づいたところで、対策となる妙案が思いつかないまま、着手までに1年を要したのだった。

impsbl.hatenablog.jp

12月23日に着手し、昨晩、1月3日の午前1時ごろに最終フロアの大広間到着、本日午前中に再開して、Fire Crystalに到達した。

ファイヤークリスタル』は、MSX版の『The Black Onyx II』を遊んだことがある。「まほうのあいことば」が分からなくても、大広間付近で逃げ回っていれば、逃亡成功後に大広間内に入っていることがある。それから「ケイマトビ」を繰り返してブラック・タワーの中に入ることはできたのだが、そこで魔法Astralを使い、タワーを上る発想がなかった。

今回はクリアできる前提で着手したところ、プレイ感覚がMSX版とは、かなり異なることに気づいた。歳を重ねた経験から、MSX版で遊んでいた当時は気づかなかった、気づけなかった発見もあり、色々とまとめてみたくなったのだった。

色々とまとめて行くうち、かなり長くなってしまった。そこでプレイ前の予習に通じる、凶悪な難易度の要因を考察した考察編、マップなど、実際のプレイに通じる情報のプレイ編に分けることにした。

この投稿はプレイ編だ。いくつかの情報は考察編で言及したことを前提にしている。プレイ編を読み進める前に、考察編にも目を通してほしい。

impsbl.hatenablog.jp
impsbl.hatenablog.jp

ファイヤークリスタル』という単純作業

考察編でも触れたように、『ファイヤークリスタル』のマップ構造は、本質的にオープンだ。レベル7魔法、Astralで幽体離脱することで、制限時間内でダンジョンを自由に徘徊することができる。あらゆる壁を無視して移動できるし、上下フロアを移動することもできる。しかしトラップの配置だけは分からない。

このゲームで、プレイヤーは次の単純作業を強いられることになる。

  • 魔法Astralを覚えるまで魔法使いを育てる
  • 魔法Astralを駆使してマップを作成する
  • マップを見ながらトラップの存在を察知する

さらにリセマラを伴う状態確認だ。

  • 魔法Divineによる強化結果確認
  • 魔法Pointerによる方向確認

詳細は後述するが、特に桂馬飛びを繰り返す最中は、一歩ごとに魔法Pointerでの方位確認だけでなく、Astralも加えた周辺の状況確認も必須となる。MP回復を省略するためにも、クリア直前までリセマラを繰り返すことになる。

効率的プレイ

固定エンカウント→アイテムも同様

固定エンカウントで遭遇するのはモンスター、冒険者だけでなく、アイテムも含まれる。特にクリア必須アイテムのルビー、サファイア、お助けアイテムのランプは、固定エンカウントのポイントで見つかる。
従って、ステート・セーブを繰り返し、固定配置のモンスターを掃討し尽くしてしまったら、ゲーム機能のセーブ、ロードで固定配置モンスターを復活させるしかない。あるいは、固定エンカウントのポイントでリセマラを繰り返すことになるのだが、これは現実的ではない。

アミュレットはモンスターとの戦闘後に見つかるものなので、固定エンカウントとは無関係だ。しかし効率的にアミュレット獲得を狙うならば、固定配置のモンスターとの戦闘を繰り返すのが、ランダム・エンカウントを繰り返すよりも効率的だ。
しかし、それでも固定エンカウントのポイントでリセマラを繰り返すのは現実的ではない。

レベル上げ

魔法使いは魔法でモンスターにダメージ与える、さらには打倒することで経験値が上昇する。特定レベルまでは、レベル上げにフロアの深さ、敵の強さは関係がない。
1Fでも、それなりの難易度なのに、2Fから飛躍的にハードルが高まり、3F以降でさらに上昇する。従って、延々と1Fでレベル・アップと、戦士への魔法強化を繰り返すことになる。

魔法使いは、レベル7で全ての魔法を覚え、外見が最終状態に達するのがレベル9だ。この文脈から察するに、レベル7までの主戦場はダンジョン1~2F、それ以降の主戦場が4~5Fなのだろう。実際、レベル8以降、3F以降でしか経験値が上昇しない。
ちなみに、MSX版ではターバン姿の最終状態が印象的だったが、PC88版は、ターバン姿ではない。

一方、魔法使いはともかく、戦士がきつい。戦士の経験値も3F以降、上昇を始める。とはいえ、上昇するにしても、クリアするまでに1レベル上げるのも難しいペースだ。それを補うためのアミュレットかもしれないが、そこでリセマラするくらいならば、Fire Crystal到達過程のリセマラに費やす方が、時間的コストの観点から効率的だろう。

マッピング


魔法Astralにより、ダンジョン構造は実質オープンだ。とはいえ、マッピングの手間を最低限にしようと思えば、攻略本を参照することになる。『ファイヤークリスタル』のフロア・マップは、ネットを検索しても見当たらないのだ。
このゲームが収録されていたムック『蘇るPC-8801伝説 永久保存版』にしたところで、3Fまでのマップしか掲載されていない。

特にマップについて、最も詳細で確実な情報が掲載されているのは、雑誌『月刊MSX・FAN』の1987年8月号だ。5F、カラー・ダンジョンまでの各フロアが、トラップ情報とともに掲載されている。添付画像のような具合だ。

しかし最終フロア(F6)だけは、自分でマッピングする必要がある。

最終フロア


添付したマップは、最終フロアの進入直後の状態をAstralで探索しながらマッピングしたものだ。Astral状態なので、トラップの影響は受けず、ダンジョン構造をそのまま捉えることができる。
最終フロア進入「直後」としたのは、特に大広間の小部屋配置が、その構造を維持したまま東西南北が入れ替わる可能性があるからだ。その詳細については後述する。

”U”が最終フロアのスタート地点、ここから「まほうのあいことば」で生成されるダンジョンを抜け、マップ(12, Y1)からの東西通路に到達する。ダンジョンはマップのグレー部分に生成される。私の場合、このダンジョンを抜け、マップ(14, Y1)の北ドアから南方向へ進入することになった。
通路へ進入後、通路北側全てが黒いワープ・ドアで構成される。どれか一つが当たりだ。私の場合はマップ(17, Y1)だった。当たりドアは、マップ(12, Y16)からの東西通路に通じている。
マップ(13, Y16)から東西に続く部屋を抜け、マップ(4, Y14)北側の隠しドアから大広間へ進入する。
"W"で示した、マップ(11, Y3)を目指す。どうやらここはワープポイントになっているようだ。”J”で示す、マップ(11, Y3)へ飛ばされる。桂馬飛びは、ここからスタートする。
魔法Pointerでジャンプ後の方向し、魔法Astralで周辺の小部屋配置をを確認しながら桂馬飛びを繰り返し、マップ(7, 7)のブラックタワーを目指す。

まほうのあいことば

「まほうのあいことば」として入力した文字列に応じて、マップのグレー部分にダンジョンが形成される。マップ(12, Y1)からの東西通路に到達可能なダンジョンが生成される文字列であれば、文字列は何でもよい、と言うのが適切な「まほうのあいことば」の正解だろう。私の場合は"oracle"だった。

通説では、魔法使いの名前と言うことになっているのだが、実際には名前次第だ。今回、私の場合はダメだったのだ。魔法使いの名前”Wilm”、”atom"を入力すると、ダンジョンは生成されるのだが、それは通路へ到達可能なものではなかった。
魔法使いの名前とは関係がない、次のキーワードも試したのだが、前者は通過可能なマップが生成されず、後者はマップが生成されなかった。

krakatoa ファイヤークリスタル』クリア時に表示される魔法使いの名前
YGGDRASIL ブラックオニキス*1クリア時に表示されるKEYWORD

ここで生成されるダンジョンでは、あくまでもグレー部分の幅3マスの範囲を通行する必要がある。グレー部分を挟む、南北に延びる通路は、言うなればガーターだ。ここに到達すると、スタート地点に戻される。

大広間

桂馬飛び中の東西南北トラップ


マップの紹介に際し、最終フロアの進入「直後」としたのには理由がある。大広間中の小部屋配置が、その構造を維持したまま、東西南北が入れ替わることがあるようなのだ。

マップは上方向を北とすれば、左が西、右が東に相当する。マップ(7, Y6)から東方向(マップの右方向)を見ると、ちょうど添付画像の状態になる。しかし、この状態で魔法Pointerは西向き、つまりマップ上の左方向を見ていることになる。

魔法Astralでマッピングしたので、マッピング中にトラップの影響は受けていない。マップが正しい前提とすれば、移動中のどこかで東西南北が反転していることになる。
従って、桂馬飛びを繰り返す最中にも、魔法Pointerによる方向確認のみならず、魔法Astralによる周辺確認は欠かせないのだ。

大広間東の透明な壁

大広間の東側、マップ(12, Y3)~(12, Y11)の右側は、透明な壁で仕切られている。従って、隣接する南北通路から大広間へ進入することはできない。
これは恐らくMSX版のバグと思うのだが、この通路上でモンスターに遭遇し、逃走に成功すると大広間へ進入できることがあった。今回、まず同じことを試してみたのだが、逃走に成功し、大広間に侵入することはできるのだが、直ちにフロアのスタート地点へ戻されるのだった。

当時、このバグに気づいたものの、「まほうのあいことば」が理解できなかった私は、これを利用して大広間へ進入し、桂馬飛びを繰り返してブラックタワーまで到達したのだが、そこで魔法Astralを使い、タワーを上るという発想ができなかった。

しかし、今回はクリアできたのだった。

エンディング・メッセージ~KRAKATOA

魔宮は真の勇士への道なり
汝の試練は今終わり
汝の知恵と勇気の証は
立てられたり

我が力を秘めたるFire Crystal
これを汝の手に与えん
この力は善き事への物なり
もし汝、悪しき事に我が力
使いたるとき…

大地は炎と化し
やがて全ては水の下に沈まん

我こそOracleを作りし者
我が名こそFire Crystalの
力の源なり…

汝、我が名を忘るべからず

我が名は…

KRAKATOA

エンディングで名乗られる"KRAKATOA"とは、どうやら火山のことらしい。エンディングで語られていることと、なんとなく符合するところがある。
ja.wikipedia.org

余談

ムック『蘇るPC-8801伝説 永久保存版』

2000年代後半、エミュレータレトロゲーム・イメージを、exeファイルとして一体化したものを収録したムックが多数出版される時期があった。『ブラックオニキス』は、ムック『蘇るPC-8801伝説 永久保存版』*2に収録されていた。しかも続編の『ファイヤークリスタル』までもが一体化されていたのだから、私のように「ただ知っているだけ」の人にとっては、実際に遊んでみる絶好の好機だった。実際に遊ぶ時間があるのかを考える以前に、まず「これは買うしかない」と思わせられた一冊だった。

収録されていた『ファイヤークリスタル』について


収録されているランチャー、並びに実行ファイルはWindows XPを対象としたものだが、Windows 11 23H2でも問題なく動作している。実行に際し、XPモードなど、実行ファイルのプロパティを操作する必要もない。

収録されているランチャーから呼び出されるのは、『ブラックオニキス』、『ファイヤークリスタル』とエミュレータが統合されたexeファイルだ。exeファイル、ならびに発売時のマニュアルがPDFファイルとしてスキャンされたものが、それぞれ次のパスに格納されている。

%PROGRAMFILES(X86)%\ProjectEGGPlus\PLSE010\game\ブラックオニキス&ファイアークリスタル
%PROGRAMFILES(X86)%\ProjectEGGPlus\PLSE010\manual

PC-8801で動作させていたのと同じセーブ、ロードに加えて、エミュレータによるステート・セーブ、ロードにも対応している。それらのデータは次のパスに保存されている。バックアップが必要ならば、必要なファイルを、あるいはフォルダごとコピーしておけばよい。

%APPDATA%\AmusementCenter

それぞれのファイルは、次の役割を担っている。

black_onix.ini キーボード・マッピング
black_onix.sav PC-8801動作でのセーブ情報
black_onix.SV* エミュレータのステート・セーブ情報
ムック『蘇るPC-9801伝説 永久保存版』

気付いてくれた読者は、この投稿に辿り着いた流れから、次の記事も参照してくれるのだが、はてなの関連記事では、なぜか紹介されることがない。ムック『蘇るPC-9801伝説 永久保存版』に掲載されたWIZARD98という、”バックアップ”ツールに関する記事だ。関心があれば、同様に目を通してほしい。
impsbl.hatenablog.jp

ちなみに、ムック『蘇る~』のシリーズは、PC-9801が2冊、PC-8801が1冊発刊されている。いずれも2010年代手前の、人々が本屋を離れ、Amazonで本を購入することが本格的になってきた時期だ。発刊されたことに気付かなかった読者は多かっただろう。

おそらく、多くの読者にとって、事実上の本体はムックではなく、付録CD-ROMに収録されているレトロゲームということもあってか、古本の実売価格は高騰している。古本を購入する際には、付録CD-ROMが添付されているのか、動作するのかについて、くれぐれも注意してほしい。

また関心のある読者は、楽天も一緒に検索してみるとよいと思う。「"蘇るPC" + "伝説"」で検索できるリンクを用意しておいた。

search.rakuten.co.jp