この投稿で取り扱っているものよりも新しい情報を含む投稿がある。
- 2020年7月4日にリリースされた、MID v2.1のインストール、日本語入力、システム・フォントの日本語対応
- Ubuntu 20.04LTS + WSL2環境への、MID v2.1.1のインストール
是非、新しい投稿を参照してほしい。
impsbl.hatenablog.jp
今の時代、パーソナル・コンピュータ(以下PC)は、学生でもアルバイトすれば十分なスペックの環境が入手できるほど一般的なものになった。同時に、PCに対して、手の届かないものに対する憧れのようなものは失われてしまったように思う。
いわゆるWindows機に対して、ブランド・イメージやUNIXと言う観点からMacが憧れの対象という人もいるかもしれないが、それにしても、とても手の届かないという製品でもない。
私が学生時代、Indy、IndigoなどのSGI (Silicon Graphics International) 製ワークステーションが、手の届かない憧れの製品だった。搭載されていたOSである、IRIXのデスクトップをLinux上に再現しようというプロジェクトがある。今回取り上げるMaxx Interactive Desktop(以下MaXX)だ。
Hyper-V上に構築した最小構成のubuntu上にインストールしてみた。
この投稿で使用している環境は、以下の通り。
- ubuntu 18.04.3 LTS
- MaXX Indigo Releases (Indigo 2.0.1)
MaXXのインストール
MaXXのインストールは自動化されておらず、コマンドを手入力するか、それらをスクリプトにして実行する必要がある。いずれにしても、それほど手間はかからない。公開されているステップに従うだけで、問題なく終了した。
手順は、次のサイトで公開されている。私はUbuntu用の手順に従っている。
maxxdesktop.arcadedaydream.com
インストールが完了したら、ubuntuからログアウトする。再ログインの際に、デスクトップを選択するアイコンから「MaXX Interactive Desktop」を選択する。
日本語入力設定
ubuntuにインストールされているibus、mozcを利用して、MaXX上でも日本語を入力することができる。MaXXが起動したら、デスクトップ上にあるwintermからコマンドを実行していく。
まずibusを起動する。すでにubuntu上でibus、mozcの日本語設定を完了しているのであれば、ibus-daemonを起動するだけでよい。実行するコマンドは、
ibus-daemon -d -r
念のため日本語設定を確認の上で起動するならば、ibus-setupを起動する。コマンド実行時にibusの起動を問われるので、起動を承認すればよい。
ibus-setup
画面右上角にmozcのバーが現れる。ユーザーは、バーをドラッグすることで任意の場所へ移動することができる。
mozcの標準入力が直接入力「Direct inpurt」(変換のない英語入力)なので、ひらがな入力(ローマ字変換入力)に切り替えるにはひと手間必要だ、という欠点がubuntuには存在している。MaXX上のibus-mozcでもそれは同じだ。
私は入力方法の切り替えに、手近なショートカットを設定することで、その手間を軽減している。例えば、ショートカット・キーの組み合わせを「Ctrl + Insert」とする。この設定を、Mozc Keymap editorの次の箇所に設定する。
Mode | Key | Command |
Direct input | Ctrl Insert | Activate IME |
Composition | Ctrl Insert | Deactivate IME |
Conversion | Ctrl Insert | Deactivate IME |
Precomposition | Ctrl Insert | Deactivate IME |
余談
ubuntuの標準デスクトップに不足はないが、不満はある。タブレットとデスクトップのインタフェイスを統合しようとして、Microsoft はWindows 8をリリースしたが、ユーザーには受け入れられなかった。Canonicalも同じ轍を踏んでいる気がする。デスクトップだけ見れば、そのGUIはデスクトップOSとしてのそれなのだが、設定画面やその他のWindowを参照すれば、あちこちにタブレット的な要素が感じられる。
目には優しいのかもしれないが、不必要に大きなアイコンや文字が不満なのだ。不必要に文字が大きいと、子供向けのように感じられるのだ。
またフラット・デザインと呼ばれる趣向のデザインも気に入らない。闇雲に流行を追いかけるデザイナーの自己満足にすら感じられる。説明抜きに見たら分かる、理解できるアフォーダンスをユーザーに生じさせるデザインであれば良いのだが、実際に目にするものは、どこが操作可能なのかが分からないものが多い。
CDE (Common Desktop Environment)的なデザインの見た目は地味で、操作も今時の流儀とは異なるのだが、どこが操作できる部分で、ユーザーは何をすればよいのか、いくらかでもアフォーダンスを生じさせるデザインとして優れていると思う。
参照
MaXX Interactive Desktopは、現時点では開発関係者にだけオープンソースの状態だ。
2020年6月中にVer 2.1 official betaのリリースが予定されている。
maxxinteractive.com
5dwm.org
maxxdesktop.arcadedaydream.com
sourceforge.net