あるイベントを主軸として、複数のストーリーがハブ&スポーク的に繋がっている群像劇がある。典型例は映画『マグノリア』*1だ。もう一つの典型例が、あるイベントがきっかけとなって、複数のストーリが連鎖して、エンディングに至ると同時に、単一の映画としてのストーリーを形成する。『フィッシュストーリー』は後者に類する作品だ。
原作は伊坂幸太郎の『フィッシュストーリー』*2に収録されている短編小説だが、映像化に際し、エピソードが追加され、設定も改変されているが、大筋は変わらない。
劇中作『フィッシュストーリー』がパンク音楽に転じ、それが世界を救うきっかけに転じる約60年間の物語だ。
各エピソードが時系列に沿って展開されないのが、この形態の作品の常だ。しかし何も入り組んだ個所はなく、情報量が多いわけでもない。無理矢理な偶然が連続するわけでもなく、ストーリー間の繋がりはとても素直だ。何も考えずに鑑賞して、無理なく理解できる。
余りにストーリー間の連携が素直なので、そのリンクがネタバレになることもない。
この作品でネタバレに相当するモノがあるとすれば、それは『秘密戦隊ゴレンジャー』との関連だろう。ストーリーに深く関連する事柄ではないが、ストーリー中で明言されることもない。
正義の味方は5人いるという、そしてその5人に相当するのが、各ストーリーの中心人物たちだ。時系列に沿えば、
🔎いわゆるネタバレ
劇中作『フィッシュストーリー』の発掘 楽曲『フィッシュストーリー』の無音部分 |
バンド・マネージャー |
楽曲『フィッシュストーリー』の作詞 | パンクバンド「逆鱗」リーダー |
『フィッシュストーリー』の無音部分で覚醒 コックの父親 |
運転手 |
女子高生を救う | フェリーのコック |
地球を救う | 女子高生 |
パンク・バンド「逆鱗」のメンバー+マネージャーがゴレンジャーなのではない。
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