分かり易く、書きやすいプログラム言語があったとしても、
その環境が整っていなければ印象が阻害されてしまうのは不幸だと思う。
- Kotlin
- Ruby
- Visual Basic
Kotlinスタートブック
オブジェクト指向入門として良さそうな内容。最も粒度の小さな話題ごとに、見開きから4~5ページの単位で、コード併記の上で説明するスタイルは、簡潔で理解しやすい。
ソフトウェアをインストールするように、知識を自分自身の脳へ取り入れていくような感覚で、高速道路を走っていくように読み進められるのは心地よい一方、それを妨げる要素が目立つのが残念だった。
ほとんどの箇所を、心地よく読み進めることができるだけに、知識の吸収に余計な手間をかけさせる、躓かせる、読書の心地よさを阻害する要因は、そのような要素が、たとえ些細な説明不足や言い回しであったとしても、非常にネガティブな印象として残るのだ。
またAndroidについての説明は省略し、Kotlinに集中する代わりに、価格をリーズナブルにしたほうが良かったのではないだろうか。
Androidに限らず、モバイル向けのOSは毎年更新され、開発環境も変化する。それらの情報が技術書に反映されるのは、OSリリースの数か月後か、あるいはベータ版状態でリリース前に反映される。いずれにせよ、変化が大きく、そのペースの早い状況においては、適宜アップデートできるような形態でない限り、モバイル向けの開発情報の提供は役に立たないと思うのだ。
言語としての分かり易さ、書きやすさが十分伝わる内容だっただけに、些細な表現の稚拙さを放置し、Android関連の余計な情報によって、好印象に傷をつけてしまっているのが残念だった。
