これは2009年に以前のブログへ投稿したエントリーを加筆、修正したものです。
電子機器やGoogleのようなweb検索、そのインフラなど、自分自身では到底理解の及ばない機構は、世の中にあふれている。それらの仕組みが分かったところで、それが自分自身では到底なしえない事柄であれば、やはり感嘆する。私にとって、ホーム・ベーカリーはそのような機器の一つだ。
パンを焼くには、粉を混ぜ、こね、発酵させ、仕上げた生地を焼く。この工程には複雑な手作業を伴うのだが、その全てが一枚の羽と、その回転運動に集約されてしまう。どうして、そんなことを思いついた?と発想の転換に感心するばかりだ。
ともあれ、今回はホーム・ベーカリーではなくパン焼きの話題だ。ピザ生地とほぼ同じ材料、手順で作る、ブレッチェンというパンを焼く。
生地の成型はともかくとして、ホーム・ベーカリーは、ここで紹介する工程の一通りを、羽1枚とその回転運動、温度制御だけで成し遂げてしまうのだ。しかし、ホーム・ベーカリーは使用しない。
材料
1 | 強力粉 | 150g |
2 | 小麦粉 | 100g |
3 | ドライ・イースト | 大さじ半分 |
4 | 砂糖 | 大さじ半分 |
5 | 塩 | 小さじ半分 |
6 | オリーブ・オイル | 大さじ1 |
7 | 水 | 150cc |
8 | 上新粉 | 適量、無くても可。 |
強力粉と小麦粉(中力粉)をブレンドしているが、配合は食感の好みしだいだ。引きの強いパンが好みならば強力粉を多めにすればよい。いわゆるモッチリした食感になる。逆にサクサクした食感が好みならば、薄力粉をブレンドしても良い。
いずれにせよ、合計250gの範囲内で、比率を変更するだけ、分量は変更しない。
オリーブ・オイルはショートニング、もしくはバター10gでも代用できる。それぞれ風味が変化する。
水は40℃程度の人肌に暖めておくこと。これは発酵のためだ。
調理
1.下準備1のボールへ、下準備2で泡立ったイースト、水半分を投入し、全体をこねながら混ぜ合わせる。
2.ある程度混ざったら、残りの水を入れ、さらにこねる。
3.材料6を入れ、ベトつかなくなるまでこねる。
ひとまとまりの生地になったら、叩き付けるようにこねる。こねるたびに叩き付ける面を変える。生地表面のあばたが消え、滑らかになるまで続ける。
4.一次発酵
ボールにラップをし、40℃(予熱なし)のオーブンで40分、寝かせる。
オーブンを利用しない場合、日の当たるところで寝かせてもよい。約1時間くらい、生地が2~3倍に膨らむまでが目安だ。
5.フィンガー・テスト
指に小麦粉をつけて生地中央に押し付ける。穴がそのまま残れば成功。穴が戻ってきたら発酵不足。もう少し発酵させる。
6.ガス抜き
生地を拳で軽く叩いてガスを抜く。
7.生地の分割
ガス抜きした生地を適当な大きさに分割する。
ピザ生地 | 4分割(4枚分) |
ブレッチェン | 10分割(10個分) |
半分をピザ生地に、残り半分をブレッチェンにするならば、一度半分に分割した生地のそれぞれが、ピザ生地2枚、ブレッチェン5個分ということになる。
8.ベンチタイム
適当な大きさにまとめた生地にラップし、生地を休ませる。目安時間は20分。
9.成形
休ませた生地を成形する。ブレッチェンならばボール上に丸める。こだわるならば、箸などでボールの真ん中に一直線のくぼみを作る。
ピザ生地ならば、平らに成形したあと、フォークで適当に刺して穴を空けておく。ピザ生地の成型は円盤状でも長方形でも構わない。後述する調理手順では、長方形が便利だ。
焼き上げる前にオーブンを200℃へ予熱しておく。
成形した生地を、クッキング・ペーパーを引いた天板に並べる。ピザ生地とブレッチェンでは焼き上がり時間が異なる。
ピザ生地(具材なし) | 5~6分 |
ピザ生地(具材あり) | 12~15分 |
ブレッチェン | 12分 |
ピザ生地の取り扱いには選択の余地がある。ここで手順は2通りに分かれる。
- 生地に具材を乗せて、直接ピザとして焼き上げる。
- ピザ生地だけを焼き、冷凍ピザのように具を乗せた状態で保存する。
1を選ぶとき、ピザを食べるときにトースターを用いるだろうか。その通りであれば、トースターに収まりの良い長方形に生地を成型しておくと良い。オーブンならば円盤でも長方形でも、おさまりの良い大きさであれば構わないが、やはり長方形の方が冷凍庫での収まりも良いと思う。
焼き上がったピザ生地は、少し冷ました後、お好みの具をのせてラップして冷凍しておく。
2を選ぶならば、生の生地にお好みの具をのせて12-15分程度で焼きあがる。