実質2日間、光回線の不通を経験した。その間のインターネットも断たれてしまった。原因はマンション共用部結線の経年劣化。対応作業そのものは迅速であったものの、NTT職員の訪問までには2日間を要した。経緯はこのような感じだった。
Day 0 障害発生日 |
午後に障害発生、NTTへ連絡。 点検訪問は明後日になると告げられる。 半日以上のインターネット不通 |
Day 1 障害発生翌日 |
終日インターネット不通 |
Day 2 障害発生明後日 |
午前中一杯、インターネット不通 正午に点検開始。障害回復。 |
今回は経年劣化によるもので、平時での対応だったため、回復までに数日間で済んだ。居住地によっては、さらに日数を要するところもあるだろうし、台風などの災害時であれば不通期間はさらに伸びるリスクもある。
障害確認から連絡までの流れ、必要な場合に個人でできる事前対策の一案として、プリペイドSIMの活用をまとめた。
障害箇所の確認
光回線が不通の場合、障害原因となる箇所として、次の項目が挙げられる。
ホームゲートウェイ | ホームゲートウェイの異常、故障 |
ホームゲートウェイから住戸内の配線 | 住戸内配線の断線 |
住戸外からマンション共用部の配線 | マンション内配線の断線 |
共用部からNTT局舎の問題 | 工事(メンテナンス)、故障(障害)など |
ホームゲートウェイ、住戸内配線
まずホームゲートウェイのLEDを確認する。通常は4つのLEDが点灯している。
「光回線」だけが消灯 | 通常、あり得ない。 | NTTへ連絡 |
「認証」だけが消灯 | 光回線は開通している。 NTT、あるいはISPとの認証に問題がある。 |
ISPとNTTへ連絡。 |
「認証」、「光回線」の両方が消灯 | 光回線は不通だ。 住戸内配線を確認する。 |
NTTへ連絡。 |
まず光回線が開通し、その後から認証するので、「光回線」だけが消灯することはあり得ない。あり得るならば、ホームゲートウェイの異常だ。
「認証」だけが消灯している場合、少なくとも回線は生きている。通信はできるものの認証処理に失敗している。原因はISP側、NTT側の2か所が考えられるので、まずISPへ連絡し、その後からNTTへ連絡する。
「認証」、「光回線」の両方が消灯していたら、光回線が不通だ。ユーザー自ら確認できるのは住戸内配線だけ、それも次の箇所に限定される。住戸内の断線はNTT職員に確認してもらう他ない。
- ホームゲートウェイの結線確認、電源再投入、再起動
- 光コンセントの結線確認
NTTへ連絡する前に、「共用部からNTT局舎の問題」の影響について調べておく。その障害はNTTの工事、あるいは故障によるのかもしれない。
ここまで調べた上でNTTへ連絡し、症状を伝える。このとき同じ建物の他の住戸から、同様の障害報告が挙げられていないかを確認しておくと良い。同様の障害報告があれば、共用部以遠の問題だ。
共用部からNTT局舎の問題
「共用部からNTT局舎の問題」の確認は、ユーザーには全く手が出せないが、住戸の範囲に影響を及ぼす事象が発生していないかを確認する術がある。NTTの場合、工事、故障情報をwebサイトで公開している。故障情報については、現在発生中のものが反映されていない場合もある。
特にNTT西日本は該当情報のRSSを公開しているので、Feedly等のRSSリーダーで購読すれば事前対策になる。
flets.com
www.info-construction.ntt-west.co.jp
ISPについて、組織によってはTwitterなどのSNSで情報公開しているところもある。それぞれ契約している組織のサポート情報を参照する。
住戸外からマンション共用部の配線
NTTへの連絡中、この必要有無がNTTによって判断される。ユーザーには全く手が出せない。
ここまで対応すれば、後はNTT職員の確認を待つ他ない。
光回線不通期間の対策ープリペイドSIMの活用
光回線不通の間、インターネットに接続することはできない。必要な場合には、別の手段に頼らざるを得ない。典型的なのはスマートフォンによるテザリング、モバイル・ルーターの活用だろう。このとき、普段、自宅では意識することのないデータ通信量を考慮する必要が生じる。PCからの通信は、スマートフォンに比べて多量になりがちだ。
終日不通となったDay 1にて、私は午前中6時間、夜3~4時間、テザリングを活用した。私はIIJmioを利用している。同社が提供しているスマートフォン・アプリ、mioPONが、この間に記録した通信量は1.9GBだった。
この間、YouTube等の動画視聴は行っていない。クラウド・サービスを介したファイルのやり取り、ブログ投稿、メール等々の日常的な通信だけで、この通信量だった。本格的な作業を伴うならば、簡単に2GB/日を超えるだろうし、動画視聴を含めれば、さらに通信量は増える。携帯電話サービス以外のデータ通信サービスを、保険的に契約しておく必要性を感じた。
要件は人それぞれだろうが、私が保険的に契約するデータ通信サービスとして求めるのは、次の事柄だ。
・割安
・長期間の継続的な支払いが発生しない
・十分な通信量
このような契約をサポートするSIMカード、それを提供する組織を検討すると、日本国内で通信可能な海外旅行者向けプリペイドSIMに辿り着いた。事前対策の一案は、このようなSIMを1枚常備して置くことだ。
注意が必要なのは指定期限の存在だ。例えば「最大180日間」という記載は、使用開始から180日間使用できることを意味していない。キャリアの指定した有効期限まで使用できる前提で、最大180日間使用可能ということだ。最大使用期間を事前に想定して注文する必要がある。
調べた限り、最大180日間、10GBの通信量で3000円弱が最安相場だ。
指定期限はキャリア側が指定しており、ユーザーが指定できるものではない。半年交換を目安とするならば、事前に指定期限を確認しておく必要がある。
使用開始から指定期間をカウントするものも存在している。これが保険として最も都合が良い。少々割高に感じられるが、その分データ量も多めだ。例えば、このようなSIMがある。使用開始から180日間利用可能と記載されている。
これならば半年交換を考える必要もない。商品到着以降、使用期限もデータ量も温存できるので、継続的な支払いが生じないし、特別な事情を除いて、交換の必要もない。
このSIMをモバイル・ルーターで利用する。スマートフォンのSIMとは入れ替えない。それは二要素認証のSMSを受け取るため、携帯電話回線を残しておく必要があるからだ。
いくら4G対応とは言え、モバイル・ルーターを利用しても、光回線ほどの高速通信は実現できない。特に通信量の多いPCとなれば尚更だ。もしプリペイドSIMのバックアップ回線用にモバイル・ルーターを調達するならば、信頼性の高い機器であり、バッテリー状態に問題がないのであれば、旧モデルでも構わないし、中古でも問題ないだろう。モバイル・ルーターの技術進歩は非常に緩やかで、最新でも旧モデルでも機能上、大差ない。
個人的なお勧めはNEC Aterm MRシリーズだ。裏蓋が外れ、ユーザーが自分でバッテリー交換できる仕様だ。互換バッテリーも入手しやすい。私が利用しているのは2016年モデルのMR04LNで、未だ現役で稼働している。