何らかの事情によりChromeのキャッシュ・フォルダを変更したい場合があります。例えば、
- キャッシュの保存先をシステム用ドライブから、その他のドライブへ移行することによって、IOを分散する。
- キャッシュの保存先にUSBメモリを指定して、IOを若干高速化する。
キャッシュの保存先を変更する方法として紹介されているのが、キャッシュの保存フォルダを指定した起動オプションを、Chromeのショートカットなどに設定する方法です。
この方法を採用する場合、ショートカット以外から起動したChromeが、デフォルトのCacheフォルダを再作成してしまう欠点があります。
Windows 10の場合、スタート・メニューからデスクトップ、タスク・バーなど、すべてのショートカットへ同様の設定を施さなければなりません。
この問題をシンボリックリンクで解決してしまおうというアイデアです。
ChromeからはデフォルトのCacheフォルダを参照しているのに、実際には変更された保存先で読み書きすることを実現します。ショートカットは変更しません。
新旧Cacheフォルダを次のように仮定します。
旧フォルダ | %LOCALAPPDATA%\Google\Chrome\User Data\Default\Cache |
新フォルダ | d:\chrome cache |
旧フォルダがChromeのデフォルトCacheフォルダ、新フォルダが新しい保存先です。
次の作業手順を経ます。
- 新フォルダの作成
- 旧フォルダ内の全ファイルを新フォルダへ移動
- 旧フォルダの削除
- シンボリックリンクの作成
シンボリックリンクの作成にはmklinkコマンドを利用します。
Mklink | Microsoft Docs
今回のケースでは、次のオプションを指定して実行することになります。
mklink /d %LOCALAPPDATA%\Google\Chrome\User Data\Default\Cache\ "d:\chrome cache\"
フォルダ作成からファイルの移動まで、手動で実施しても構いませんし、シンボリックリンクまで、すべてコマンドで実行しても構いません。すべてコマンド化すると、次のようになります。
mkdir "d:\chrome cache" move %LOCALAPPDATA%\Google\Chrome\User Data\Default\Cache\* "d:\chrome cache\" rmdir %LOCALAPPDATA%\Google\Chrome\User Data\Default\Cache mklink /d %LOCALAPPDATA%\Google\Chrome\User Data\Default\Cache\ "d:\chrome cache\"
コマンドを実行するに際し、次の前提に注意してください。
- Chromeが動作していないこと。
- 管理者権限で実行すること。
コマンドプロンプト(管理者)を利用すると良いです。