年末年始に、システム・ドライブとして利用しているSSHDを、SSDへ換装することを予定している。交換作業からライセンス認証までの、万が一の備えとして、回復ドライブを作成することにした。
振り返ると、Windows 7の導入以来、クリーン・インストールを実施していない。Windows 10への更新は無償提供のアップグレードだったし、それまでのシステム移行はクローニングで対応していた。今回もクローニングだけで対応可能だと期待している。とはいえ運が悪ければ復旧作業に着手しなければならない事態も想定される。
いわゆる復旧作業は何年も手を付けたことがないし、Windows 10以降の手順についても把握していなかった。回復ドライブと、その周辺の事柄についてまとめてみた。
システム修復ディスクと回復ドライブの違い
システム修復ドライブ | system repair disc | 光学メディアに作成する。 | Windows 7までの定石 |
回復ドライブ | recovery disc | USBメモリに作成する。 | Windows 10以降の定石 |
Windows 7まではシステム修復ディスクを作成していた。Windows 10以降は回復ディスクを作成する。Windows 10でもシステム修復ディスクは作成可能なのだが、その機能は回復ドライブにも含まれている。
回復ドライブとシステム修復ディスクの特性の違いとして、回復ドライブはシステムの初期化や再インストールに注目しているに対し、システム修復ディスクはPCが起動しない場合のトラブル・シューティングに注目している。
具体的な違いは次の2点。
回復パーティションというのは、ベンダーのPCに最初から導入されているような出荷時状態に戻すための復旧領域のこと。自作PCでも同様のパーティションが作成される。ベンダーのPCの場合には必要なドライバやプリインストールされているアプリケーションが含まれている。自作PCの場合、そのようなデータは含まれない。
回復ドライブの作成
スタート・メニューの「Windows管理ツール」から「回復ドライブ」を実行する。
USBメモリに必要な容量はベンダー、機種によって異なる。例えばSurface Proの場合、Microsoftは16GB以上を推奨している。富士通の場合、32GB必要なことを明記している。自作PCの場合でも状況により必要な容量が異なる。とはいえ、実際に作成した回復ドライブの容量を確認すると3GBに満たないケースもあれば、7GB程度のこともある。それぞれの場合のキャプチャを、このエントリ末尾に掲載しておいた。
とはいえ、8GBのUSBメモリで作成できるものでもないらしい。Windows.oldの有無であったり、システム・ファイルのコピーを選択しない場合に容量を縮小できるようだが、それでも16GB未満のUSBメモリで作成しようとすると、作成に失敗するケースがフォーラムなどで報告されている。素直に16GB以上、あるいは32GBのUSBメモリを利用するのが良さそうだ。
作成したら回復ドライブでブートできるかを、USBドライブからの起動で検証すること。UEFIでの起動ドライブ選択に関わらず、稀にブートに対応していないUSBメモリが存在するようだ。私は次のUSBメモリ、32GBを利用した。ブートにも対応している。

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回復ドライブが提供する機能
回復ドライブは2パターンの復旧をサポートしている。
ドライブから回復する | 回復ドライブ中のシステム・ファイルを用いた復旧。 個人用ファイルとアプリケーションは復旧しない。 |
このPCを初期状態に戻す | 回復ドライブ作成時に設けられた回復パーティションを用いた復旧。 個人用ファイルを保持するか、削除するかを選択できる。アプリケーションは復旧しない。 |
詳細オプション | 復元ポイントや、別途取得したシステム・バックアップからの復旧。 |
いわゆる出荷時の状態に戻す手順は、各ベンダーの提供する手順を参照する。
ライセンス認証
Windows 10への無償アップグレードが実施されていたころ、PCを構成する機器を変更する都度、ライセンス認証が発生することが報告されていた。特にWindows 10へ無償アップグレードした場合、プロダクト・キーが―発行されていない。どうやらWindows 10のライセンスはデジタル化されており、Microsoftアカウントと結び付けられているようだ。そしてデジタル・ライセンスが用いられる場合、プロダクト・キーの入力は不要だ。
Windows 10 のライセンス認証
ハードウェア構成の変更後に Windows 10 のライセンス認証をもう一度行う