これは2008年に投稿したエントリーに加筆、修正の上、以前のブログから引き継いだものです。
先月末まで、ある資格試験の勉強をしていた。資料からテストまで、すべて英語だ。PCが手元にない状況での勉強では、辞書の必要性を痛感させられた。そこで電子辞書の購入を検討することにした。
購入したのはSII(セイコーインスツル)のSR-G7000Mというモデルだ。なぜ今まで使わなかったか、というほど、その便利さを痛感している。
スマートフォン+インターネット・サービスで単語の意味や、英文の翻訳を簡単に知ることができる時代になったとはいえ、ただ答えを得るだけではなく、理解を深めるための知見が得られるのは辞書ならではの利点だ。
電子辞書と言えば、その携帯性や使い勝手以前に、どのような辞書が収録されているか、が一番のポイントだ。特に英語辞書の良し悪しについての判断基準を求め、特にプロフェッショナルな知見のあるオフィスの通訳、翻訳チームの方々に質問してみた。
彼らのお勧めは、下記「各種辞書」にまとめた。これらを目的に応じて、取捨選択すればよい、ということだ。
今回は電子辞書の選択が主眼なので、必要な辞書が収録されているモデルを選択することになる。辞書の選択に際し、通訳、翻訳チームは次のアドバイスを添えてくれた。それは「一般的な語彙の収録語数は、大事典一つで十分」ということだ。
これらの情報を総合して、推薦してくれたのがSII社のモデルだった。
G9000は、G7000Mの上位機種だが、G9000に収録されている基本的な辞書は、G7000Mも網羅している。大きな違いは、9000が技術英語辞典、オックスフォード**辞典を収録しているのに対し、後者は英和辞典が充実している。
詳細な比較は、SII社の収録コンテンツ一覧を参照してほしい。投稿末尾にリンクを掲載している。
英語資料の読解が主な使用目的なので、私はG7000Mを選択した。「英辞郎 on the WEB」に比べ、訳語が豊富で例文があり、他の辞書と比較参照できることが、調べている単語についての理解を深めてくれる。
特に英和、英英辞書の結果を一画面に表示できる機能は重宝する。
外出時にはスマートフォン・アプリ+インターネット・サービスを利用すれば良い、というのが当世気質なのだろうが、そもそも比較の対象が違う。ただ訳語が分かればよい、その場を凌げる答えが見つかるだけでよい、では理解を深めるには不十分なのだ。
辞書以外の本体特性について、次の点も気に入った。
- LCDを反転表示できる。
白地に黒文字だけでなく、黒字に白文字表示できる。
- フォントが見やすい
VGA解像度だが、フォントはかなり滑らかだ。文字サイズを小さめに変更しても、くっきり明瞭に表示される。
- スリムなポケット・サイズ
約8×12cmの軽量でかさばらないサイズは、iPod touchを幅広にしたくらいの大きさだ。ポケットに突っ込んだら、資料とペン1本、財布片手にカバン無しで外出することができる。
余談
スマートフォン+インターネット・サービスの台頭により、多くのメーカーが電子辞書から撤退してしまった。この領域で、まだ本格的に活動を継続しているのがカシオとシャープだ。しかし、その製品の多くは学生向け、それも中高生を主なターゲットとしている。自ずと、そのレベルに合わせた辞書が収録され、余り実用には向かない。
各種国語辞典、英語辞典についてはともかく、その他に収録されている辞書は、SII製品が収録しているものに比べ、遥かに見劣りする。
現在、SII社電子辞書を入手しようとするならば、市場在庫か中古品を求めるしかない。amazonではこのような具合だ。
www.amazon.co.jp
SR-G7000Mは、現時点では中古品しかない。価格は7000円。市場在庫、中古に関わらず、幸いなのは、価格が高騰していないことだ。後継機種、上位機種の価格は定価から、それほど変化していない。