これは2007年に投稿したエントリーで、以前のブログから引き継いだものに加筆したものです。
ビジネス選書&サマリーというメール・マガジンがある。毎週、メルマガ作家が選んだ書籍のサマリーを配信するというもの。
読みたい本があっても、そのすべてを読むというのは難しい。そんな読みたい本がサマリーで取り上げられたならば、そのサマリーを確認してから購入を検討することができるし、存在すら知らなかった本については、あえて購入までに踏み込まずとも、このサマリーで十分満足できることもある。
そんなメルマガで先週取り上げられたのが次の書籍。
絶対に負けないスマート交渉術―相手より3歩先行く7つのステップ
- 作者:ハリー ミルズ
- メディア: 単行本
交渉における7つのステップについて、各ステップの頭文字を取ってRESPECTとしている。それぞれのステップは、
- Ready:準備
- Explorer:調査
- Signal:合図
- Probe:探る
- Exchange:やり取り
- Close:幕引き
- Tie-up:締結
というもの。各ステップは次のように説明されている。
Ready
達成目標と、その優先順位の定義。また交渉における戦略や進行計画を練る。交渉に取り掛かるための準備をするフェーズ。
Explorer
お互いのニーズを明確にする。お互いの立場を明確にするためのフェーズ。
Signal
お互いの条件の刷り合わせ。交渉成立に向けて、お互いが歩み寄るためのフェーズ。
Probe
お互いの真意を探る。交渉を着実に進めるためのフェーズ。
Exchange
お互いの要求と、それに対する見返りを受け入れる。交渉を合意に導くためのフェーズ。
Close
お互いの落としどころを定め、オファーを提示する。交渉をまとめるためのフェーズ。
Tie-up
契約内容を確認する。交渉を成立させるためのフェーズ。
IT系の人間にとっては、ステップやフェーズという表現で理解するよりも、通信手順、接続手順のプロトコルとして捉えるならば、理解しやすいかもしれない。
話題は変わり、あるカード会社OBの営業部長が、このような話をしてくれた。何かの売り込みに営業員がやってきたとき、その人の営業方法が適切でなければ、その営業方法を指導して返したと言う話題。
そのようなことをしたからといって、その営業員の話に乗るわけでもなく、しかも他社の営業員に営業方法を指導して追い返すとは、無駄ではないか?と思うところなのだが、本人曰く、
- 適切ではない営業方法が駆逐される。
- 適切な営業方法が広まる。
- 結果として世の中の営業活動が効率的になる。
話の真偽とその成果、そして指導される営業方法が本当に適切なのか?はともかくとして、この考え方もプロトコルに通じるものがある。
いくら良いからとは言え、そのプロトコルを自分だけが利用し、その他大勢が他の統一されたプロトコルを利用している状況では、不適切なのは自分自身のプロトコル、結果として自分自身が邪魔ものとなる。
プロトコルになり得るものは自分自身が利用するだけでなく、周囲も同じプロコルを利用できるよう、それを広める努力も必要となるのです。
絶対に負けないスマート交渉術―相手より3歩先行く7つのステップ
- 作者:ハリー ミルズ
- メディア: 単行本