これは2005年に投稿したエントリーで、以前のブログから引き継いだものに加筆したものです。
決して悪い映画では無いけれども、感動の一作と言うわけでもなく、あくまで良いお話。もしくは良いストーリが決して良い映画とは限らないという見本。ストーリーは盛り上がることなく、エンディングまで薄々と展開していく。
23歳、二児の母である主人公は余命数ヶ月を宣告される。今までを流されるように生きてきた主人公は、自分の死を悟られることなく、自身が亡くなったあとも今の生活をそのまま続けてもらうために、死ぬまでにやるべきこと10項目をリストし実行していく。その10項目とは、
- 娘たちに毎日愛していると言う。
- 娘達の気に入る新しいママを探す。
- 娘達が18歳になるまで誕生日のメッセージを贈る。
- 家族でビーチへ行く。
- 好きなだけお酒とタバコを楽しむ。
- 思っていることを話す。
- 夫以外の人と付き合ってみる。
- 男性を夢中にさせる。
- 刑務所のパパに会う。
- 爪とヘア・スタイルを変える。
4までは残される人たちのため、自分自身がこの世を去るための準備。それ以降は自分自身のため、いわゆる「一度でよいからアレをやってから死にたい」という願望。
残された人生の猶予を、リスト項目を消化しながら過ごすことにより、今まで流されるように生きてきた主人公は、人生に目的を見出し、生を実感しながら生活を送る。
まっとうな解釈をするならば、日々目的を持って過ごそう、ということなのだろう。
今この加筆をしている2016年現在、自己啓発やGTDなど、物事をタスク管理すること、そのような考え方を人生にも適用する考え方は、2005年と比べれば世間に浸透してきたのではないかと思うのだが、例えばフランクリン・プランナー等を用い、生涯を通じて、やっておきたいことを実際に管理し、その完遂に注力している人たちは、まだ少数派なのではないか、とも思う。
まだまだ人生に猶予があることからの怠慢、もしくは余裕から、人生の時間的制約、その制約の中で実現することを強く意識するには、余命幾ばくも残されていない状況によって、その制約を強く、明確に突きつけられなければならず、そのような状況に陥って初めて、アレを、コレをやっておこう、という動機が強まるものなのかもしれない。
この映画には原作が存在するのだが、その内容は映画とは異なるようで賛否両論だ。
「原作」死ぬまでにしたい10のこと―初めて人生を愛することを知った女性の感動の物語
- 作者: ナンシーキンケイド,Nanci Kincaid,和田まゆ子
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2003/12
- メディア: 単行本
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- 鑑賞前の心得
感動のストーリーは期待するな。あくまで、良いお話。
- 居眠りポイント
ある意味、映画全体が居眠りポイントとも言える。
- 一言ストーリー
本文に書いてしまった...