日本産リンゴのオフシーズンには、NZ産リンゴが店頭に並ぶようになった。リンゴはオールシーズンの果物となり、ちょうど今頃は日本産、NZ産が入れ替わり始める時期だ。スーパーは、大袋に詰め込んだNZ産リンゴのバーゲンを始めている。
リンゴは日持ちのする果物なので、このような場面でまとめ買いをしても無駄にしてしまうことはないだろう。万が一、無駄にしてしまいそうなとき、典型的な一案はジャムににすることだ。しかし、同じ調理方法でありながら、それよりも簡単、お手軽、風味のバリエーションも豊富な選択肢がある。コンポートだ。
コンポートの基本は、果物を砂糖水で煮込むことだ。ジャムよりも低糖度で、果肉感を残すために煮崩すこともしない。日本産ならば紅玉、NZ産ならばJAZZ*1のような酸味のある品種であれば、リンゴ自体の風味との相乗効果で、生食とは違ったおいしさを堪能できる。
注意したいのはリンゴ一つの大きさだ。同じNZ産リンゴでも、例えばJAZZとSONYA*2では一回りほど大きさが違う。ちょうど次のようなサイズ感だ。
JAZZ < 紅玉 < SONYA
SONYAを基準にしたときの調味液は合計で400CCだ。この範囲内で、好みの分量の酒、水を混ぜる。
水 + 酒 | 合計400CC |
砂糖 | 小匙 x 4 |
好みのスパイス シナモン ナツメグ |
適量 |
私の定番は、次の3種類だ。特にお勧めが梅酒コンポートだ、風味と食感が相まって、リンゴが桃のように仕上がる。
典型的コンポート① | 酒に赤ワイン、あるいはロゼを用いる。 ロゼの代わりに赤、白をブレンドしても良い。 |
典型的コンポート③ | 酒に白ワインを用いる。 もしあれば梅酒の梅を4粒加える。 |
梅酒コンポート | 酒に梅酒を用いる。 |
好みに応じた洋酒で、色々と試してみるのが面白いのだが、個人的経験から、次のお酒はお勧めしない。
不味くなることはないのだが、お酒の風味が全く残らないのだ。これらを用いるくらいならば料理酒でも用いたほうがリーズナブルだろう。
ちなみに、お酒を用いないレシピもある。お酒の代わりにオレンジ・ジュースを用いると、何となくアメリカを感じさせる風味に仕上がる。
SONYAサイズのリンゴ1個を、くし切りに8等分する。それを小鍋に並べ、400CCの調味液を注ぐと、ちょうどリンゴが浮き上がる程度の分量になる。次の事情から、ひたひたの分量では少ない。
- 調味液がシロップぽくなるまで煮込む
- 煮込み後の余熱放置で、さらに調味液の分量が減る
特にJAZZのような小振りのリンゴで調理する場合には、調味液の分量に見合うようにリンゴを増量するか、調味液の分量を調整する。後者の場合、次のようにすると良い。
- 希望の分量のお酒を注ぐ
- リンゴが浮き上がるまで水を注ぐ
調理方法はいたって簡単だ。
- くし切り、8等分したリンゴを鍋に入れる
- リンゴは皮付きで構わない。皮が付いていると、煮込みの目安になる。
- リンゴが浮き上がる程度に調味液を入れる
- 砂糖を小匙×4入れる
- 適量のスパイス、梅酒の梅などを入れる
- 鍋に蓋をして、強火で15~20分煮込む
- 皮にシワがあれば、煮込みは十分。
- 火を止め、鍋に蓋をしたまま、余熱が冷めるまで放置する。
- リンゴとシロップごと容器に移し替え、冷蔵庫へ。
煮込んでいる最中は、リンゴと洋酒の合間った香りがキッチンに充満する。煮込むだけなので、手間はかからない。この香りを堪能しながら休憩していると、とても幸せな気分になる。