Android端末の仕様、機能は、それが有名な製品であれば公式webサイトやオンライン・メディアの特集記事を通じて確認することができる。無名な製品であっても公式webサイトが用意されているものもあるし、GSMARENA*1のようなポータル・サイトを通じて確認することができる。
しかし、公式サイトですら、端末が搭載しているセンサーの情報まで公開しているところは皆無だ。センサーの仕様、特にプログラムを通じて操作可能な特性は、プログラムを通じて確認するしかない。
Android Sensor Listは、Android端末に搭載されているセンサー、ならびに取得可能な情報を収集し、TSV(TAB区切りのCSV)形式のファイルで出力するアプリケーションだ。
アプリケーションを起動すると、端末上のダウンロード・フォルダにファイルが出力される。Android Studioの実行環境にAndroid端末を接続し、Android Sensor Listをデバッグ実行すれば、Logcatにも同様の情報が出力される。
この投稿では、その使用上の留意点についてまとめている。
インストール方法
Android Sensor ListはGoogle Playでは公開していないし、するつもりもない。
このアプリケーションはGitHubで公開しており、apkファイルを直接ダウンロードしてインストールする。Android端末のWebブラウザでアクセスすれば、自動的にインストールの承認を求められるだろうし、一度ダウンロード・フォルダへ保存してから、改めてインストールを指示しても良い。
実行方法
情報収集が目的なので、アプリケーションは1度実行するだけでよい。
アプリケーションを起動する、あるいはAndroid Studioでデバッグ実行するだけで、目的の情報が出力される。収集された情報は、CSVファイルとしてダウンロード・フォルダに保存される。Android Studioでのデバッグ実行であれば、Logcatを通じて収集された情報を参照することもできる。
CSVファイルはExcelなどへインポートして、見やすい環境で参照するとよいだろう。
あるいは、先に言及したように、Githubからクローンしたソースコードを、Android Studioでデバッグ実行するのも、手っ取り早い方法だ。
余談
出力した情報を確認して実感するのは、スマートフォンはセンサーの集合体である、と言う事実だ。されに複数端末から出力した情報を見比べると、やはりハイエンド機、特別な機構を有する端末は、有名企業のセンサーを採用し、センサーの搭載数も多い、ということだ。
添付画像はDOOGEE V20*2という2021年後半のミドルクラス端末、Microsoftの初代2画面端末であるSurface Duo*3、2018年のハイエンド端末であるNokia 8 Siroccoから出力した情報をExcelへインポートしたものだ。
model | year | sensor |
---|---|---|
DOOGEE V20 | 2021 | 15 |
Surface Duo | 2020 | 32 |
Nokia 8 Sirocco | 2018 | 53 |
まず一目瞭然なのがセンサー数だ。単一センサーが複数のタイプを兼ねることによる重複があるとはいえ、DOOGEEと、そのほかの端末では、搭載されているセンサー数に2~3倍の開きがある。
世界的に有名な企業のセンサーにこだわることなく、必要十分なだけのセンサーを搭載する、というのはミドルクラス故のリーズナブルさを担保するための一因なのだろう。
一方、センサー群の消費電力は少なく済み、Rugged phoneと言う特性も相まって、バッテリー・ライフの長時間化に貢献してもいる。
Surface Duoは、そのほかの端末と異なり、2画面端末と言う特殊性から、ヒンジに関連するセンサーを搭載しているのだが、それでもNokiaと比べると、搭載しているセンサー数は少なく感じる。
Nokia 8 Siroccoは特別な機構を備えているわけではないのだが、それでも53ものセンサーを搭載している。画面タップでスリープから復帰したり、画面を伏せることで着信を拒否したり、端末を持ち上げるだけで着信を受け付けたり、ユーザーの自然な振る舞いに追従して機能するためには必要な装備だったのだろう。