これは2008年に投稿したエントリーで、以前のブログから引き継いだものに加筆、修正したものです。
BLAME!and so on―弐瓶勉画集*1とは異なり、画集ではなく短編集。
幻のブラム学園!、ネットスフィア・エンジニア(以下NSE)*2、最新のBLAME!2まで網羅されています。
収録作品は、
- ZEB-NOID
- ブラム学園!
- ブラム学園!京都奈良相合傘
- ブラム学園!桜咲く塔の下で
- 小包
- ネットスフィアエンジニア
- ポンプ
- BLAME!2第八系子体プセルの都市構造体脱出記
- 沼の神
- 戦翔甲蟲・天蛾
ブラム学園!とNSEは加筆修正版で、オリジナルとはかなり印象が変わっています。すべてフルカラーで、加筆に合わせて、色味や演出にも若干の変化があります。すでに読んだ人にも、新たな発見と感動をもたらしてくれるでしょう。
収録作品の半分を占めるBLAME!*3関連の作品目当てでなくとも、損した気分にはならない内容です。
ブラム学園!は初期のセルフ・パロディの域を脱して、これだけで1作品になろうかとしているような独自の世界観を展開しています。特に3話目では、従来のダークな雰囲気の中でキャラクタだけを萌え系に変更したストーリーが、今までの弐瓶作品では考えられないノリと内容です。BLAME!からシドニアの騎士に至る作風の変遷が分かる作品でもあります。
ドモの相棒であるイコが女性だったというのは、作品的にジョークと捉えるべきなのか、そもそもそういう設定だったのか...
収録されている『戦翔甲蟲・天蛾』は対ガウナという主題が、アバラやシドニアの騎士に通じる、言うなればそれらのサイド・ストーリー的な作品として楽しめます。
今まで幻のように、雑誌の切り抜きで出回っていたり、ネットに掲載されているスキャン画像を追いかけていたりしていた人たちにとっては、1000円未満のこの作品集は、そんな悩みや問題から解放してくれるリーズナブルな福音となることでしょう。