Technically Impossible

Lets look at the weak link in your statement. Anything "Technically Impossible" basically means we haven't figured out how yet.

20220307 ウクライナ危機からの連想

気分はもう戦争 (アクション・コミックス)
80年代の冷戦構造は商業文化にも影響を与え、コミックや小説、ゲームの舞台設定に反映された。冷戦構造とはいえ、必ずしも米ソ衝突とは限らず、あるものは中ソ戦争であったり、またあるものは勢力均衡や核保有など、冷戦構造を支える要素をモチーフとしていた。

ウクライナ危機にまつわる、連日のニュースに触れていくうちに何かが触発されるのか、過去に接したそれらコンテンツにまつわる事柄が連想されるのだった。

世界戦争になる→BALANCE of POWER

ウクライナへの米軍派遣を否定したバイデン大統領は、その理由として「世界戦争になる」と述べた。*1

  • ロシア、ウクライナ両国の歴史的経緯
  • NATO非加盟国と、アメリカ介入の正当性
  • 世界の警察官役を降りる

またディベートのテクニックとして、相手の主張は核戦争に通じることを証明する、のが奥の手であることを何かの本で読んだ記憶もある。

言及に通じる理由は、色々と想像できるのだが、一般論、原則論的なアプローチとして「相手を追い込まない」と言うことが挙げられるだろう。勢力均衡=”BALANCE of POWER”だ。
その考え方をゲームに昇華させたのが、『BALANCE of POWER』だった。ゲームについては、次の投稿で触れている。

impsbl.hatenablog.jp

核共有→沈黙の艦隊

NATO加盟国には、自ら核兵器保有していない国家が含まれている。そのような国家は、米軍の核兵器を自国に設置するのだが、それを使用する最終決定権は米国にある。必ずしも核兵器を利用できるとは限らないのだが、核を保有し、使用する可能性があることが、侵略に対する抑止力として機能する。

核兵器の運用において、ただ保有することに加えて、もう一つ押さえておきたい要素が、大陸間弾道弾を発射可能な原子力潜水艦だ。ただ保有しているだけでなく、発射位置を隠せることによって、抑止力としてより強固に機能する。

「共有」と言う言葉のニュアンスに率直に反応するならば、核兵器+戦略原子力潜水艦を共有するのが理に適っている。核保有国の戦略原潜を所属国家から独立させ、あらゆる国の核報復力として機能させることで、世界的な抑止力に転じる、と言うアイデアを取り上げたのが『沈黙の艦隊』だった。

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ソ連(ロシア)の戦略、戦術→BATTLE バトル

国境周辺に展開していた戦力の95%を投入*2というのだが、国境付近に長蛇の車列が出来上がっており、侵攻が停滞していると言うニュースもある。

現実はどうあれ、緒戦に兵力を大量投入し、電撃的に進行を成功させるのは、ソ連時代からの十八番であり、常套手段のようだ。『BATTLE バトル』はPC-9801用にリリースされたシミュレーション・ゲームで、この常套手段を再現している。

ペレストロイカ失敗による経済破綻、東欧諸国の離反を挽回するため、ソ連極東アジアへ侵攻を開始する、と言うのがゲームの舞台設定だ。開戦に先立ち、ソ連は韓国、日本、米国での暴動、破壊工作などによって初動を遅らせている、というシナリオ上の設定がある。
そのため緒戦では韓国、北海道に大量のソ連軍が上陸し、半ば強制的にプレイヤーは撤退戦を強いられる。遅れてやってくる第7艦隊との挽回作戦まで、持ちこたえる必要があるのだ。

ウクライナ第7艦隊はやってこないものの、ドイツからの戦闘車両、ポーランドからのロシア製戦闘機供与など、通じるものを感じている。

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クーデターによる終結→レッド・ストーム作戦発動、戦艦ポチョムキン

テロによってシベリアの石油精製施設を破壊されたソ連は、中東の油田を狙うのだが、そのためにはNATOを牽制しなければならない。ソ連NATO+米軍の衝突を描いたのが、『レッド・ストーム作戦発動』だった。トム・クランシーの作品だが、ジャック・ライアンのシリーズとは何のつながりもない、独立した作品だ。

今回のウクライナ危機は、ロシア対ウクライナ、と言う構図を超越し、ロシア対それ以外から、プーチン対<ほぼ>全世界、と表現しても過言ではないほどの状態に達している。精神異常が疑われるほど、プーチン自身の意思決定が注目されている。

このような状況で危機を終結させるオプションの一つして、

  • プーチン自身をどうにかする
  • ロシア国内からどうにかする

というアプローチは決して無視できないだろう。そして考えてみれば、ロシア革命ソ連共産党の解体もクーデターがきっかけだった。今回もそうなるのかもしれない。

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無関係の他国への攻撃→気分はもう戦争

こちらは中国対ソ連の戦争だが、停戦のどさくさに、無関係の他国がミサイル攻撃されてしまう。戦争による難民受入、ミサイル攻撃によるプラント破壊などによって、日本も経済的なダメージを被ることになる。

プーチンは、ほぼ全世界を敵に回しており、精神異常も疑われている。危機終結に際し、無関係の他国を巻き込んでも不思議はない気がしている。

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