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Technically Impossible

Lets look at the weak link in your statement. Anything "Technically Impossible" basically means we haven't figured out how yet.

外資系の昇進と昇給

これは2009年に投稿したエントリーで、以前のブログから引き継いだものです。

はてな匿名ダイアリーで次のようなエントリーがあり、これがよくまとまった分かりやすい内容で感心していました。

外資系ご希望の就活生のみなさま

特に次の部分。

外資系企業って本当に実力主義
実際に私がいた会社では、評価の透明性も高く、若手の抜擢人事も少なくありませんでした。ただし、日本ほど階層構造になっていないため、多くの場合マネジャーになるまでに多大な時間を要します。(新卒の場合、マネジャーになる前に転職するケースがほとんどです)
このようにポジションに空きがないことと、空きが出ても下からマネジャー、ディレクターに昇進するより他社のマネジャーや MBA ホルダーがおさまることが多いという事実は、私も入社するまで知りませんでした。

これは本当に、私も働いてみるまで気づかなかった事実の一つでした。外資系企業でも特に欧州系企業を数社経験した立場として、外資系の昇給と昇進について少々。

そもそも昇進を狙ったところで、良い会社に転職するのと同様、昇進先のポジションに空きがなければ無理なのです。比較的落ち着いた組織であれば、直近でそのポジションが埋まってしまうと、人材流動性が激しくなければ、そのポジションが空席となる次のタイミングは相当先の話だったりします。

最近は、いわゆるフラット化によって緩やかなピラミッド型の組織体系が流行りですから、管理職ポジションの数も限られており、結構簡単に上がつっかえる仕組みです。そのため昇進意欲の旺盛な人には運も問われる、実際のところ必ずしも実力だけがカギとなるわけではないのですね。

コンサル業界ではup or out(昇進するか出ていくか)などと言われますが、社内での昇進の道が閉ざされてしまえば、その道を外に求めてoutするしかないこともあるのです。
しかしながら、管理職に転職しようにも実務経験が問われることが多いため、同業他社ではなくベンチャー企業など、可能性に賭けてくれる、ポテンシャル採用してくれる組織に移る人もいます。転職で昇進を実現するとしても、リーダー、マネージャ・ポジションは経験者の間だけで流通していそうで、また運の要素が求められますね。

最近はマネジメントだけでなく、スペシャリストの方向性でのキャリアも求められる傾向にありますが、多様性を認める一環だけでなく、以上のような事情からモチベーションを維持させるための施策の一つではないかと勘繰りたくなります。
マネジメント→スペシャリストのキャリア・チェンジはスキルさえあれば簡単ですが、スペシャリスト→マネジメントは実務経験が問われるため、損得で言うと、スペシャリスト志望でもとりあえずマネジメント志望にしておいた方が選択肢は増すわけです。隠れマネジメント志望の人は意外と多いのではないでしょうか。昇進は狭き門な印象です。

また引用で言及されている、外から管理職を容易に持ってくるのも障害です。管理職として人を育てようとする意思が乏しかったり、端から育てることを放棄している組織もありますから、マネジメント・スキルを磨こうにも、そういう機会も乏しかったりします。

IT企業で言うとアーキテクトやプログラム・マネージャといった、ある面で管理職的な機能を求められるポジションもあります。
know-howの蓄積を重視し、スペシャリストを厚遇する組織もあるため、このような方向性でキャリア・アップを試みるのも一つの戦略ですが、こういうポジションはスペシャリスト職のシニア・ポジション、組織内でのその職種の極み的な位置づけなど、オフィシャルにはマネジメント・キャリアから外されています。職位と職種は違う体系ということですね。

そして、この職種が昇給にも関係するわけです。

しかも上述したように、タイトルをひとつ上げることも難しい状況です。日系企業の場合、年次が上がれば給料も自動的に上がりますが、外資系の場合、タイトルが上がらないと給料はほとんど上昇しません。(年次で多少はあがりますが、スズメの涙程度です)

ヘイ・システムのような、人ではなく職種と給与レンジを結び付けた仕組みが採用されていると、ただ昇進できないだけでなく、昇給するのも難しい状況も伴います。
給与がスキルや成果、実績ではなく、職種と結びついているため、職種のランクがある程度上昇すると(たとえばアソシエイトからシニア・ポジション)、さらに昇給を狙ったところで、その上のランクがない、職種を変えるしかない、といったことも起こりえます。

昇給の評価として業務実績やスキルが問われないわけではないのですが、そのような要素は昇給ではなく、業績賞与の配分に影響を与えることが多く、賞与は増えたけれども、給与のベースラインは変わらずといったことは往々にして起きていることです。
しかし、この「業績」とは個人の業績だけでなく、組織の業績も加味されるため、昨今のような不景気な状況では、いくら実力もあり成果も上がったところで、賞与はそれほどでもなかった、ということもあります。

就職活動中の人、外資系への転職を考えている人たちは、こういう事柄を面接の場で確認するのが難しかったり、確認しづらい雰囲気もあったりするでしょうから、OBや経験者、エージェントを通じて話を聞いてみるなり、見聞を広めて、自身の思い込みだけでなく事実を確認してみる必要があるでしょうね。