Technically Impossible

Lets look at the weak link in your statement. Anything "Technically Impossible" basically means we haven't figured out how yet.

神は日本を憎んでる - God hates Japan

神は日本を憎んでる (海外シリーズ)
これは2005年に投稿したエントリーで、以前のブログから引き継いだものに加筆したものです。

ダグラス・クープランドの邦訳最新刊ですが、すでに2001年の本。なぜかこれ以降の作品が邦訳されていません。
取り上げる題材と、そのポップな仕上げ方から、ダグラス・クープランドはお気に入りの作家です。作品ごとに題材は違えども、ドロップアウトと虚無な日常、というテーマが通底しています。ダウナーな世界が軽快でポップな味付けで描写されるのですが、ここでのポップさはある意味、毒気としても機能します。


今回の題材は

  • ニート
  • かつてはフリーターと呼ばれた人たち
  • オウムのサリン事件
  • 家庭崩壊とテロ
  • 行き着くところまで到達した感のある消費社会

90年代後半から2000年代前半の日本が題材となる今作では、自身が日本人だからか、毒気がいつもよりも増している印象です。所々に挿入されているアニメーターの挿絵も、その増長に貢献しています。

読書中、少し考えた時に引っかかるのが日本人の描写です。これまでの作品では外国が舞台であり、登場人物は外国人でした。その様子を日本語で読むのです。
今回は日本が舞台であり、登場人物は日本人、その様子を翻訳された日本語で読むのですが、元々は外国人によって書かれた英語の文章です。作中に表れる登場人物の考え方や話し方に、翻訳を2度繰り返したような違和感を感じるところがあります。
クープランド自身、日本への留学経験もある親日家なのですが、その違和感は、外人から捉えた日本人を描いたことの現れなのかもしれません。

同氏の他の作品と同じく、扱っているテーマはシビアで、ストーリーもダウナーな展開なのですが、嫌な印象が残らず、何かを振り切ったかのような印象の、爽快感にも似た読後感です。それは語り口の上手さと、そのポップさゆえでしょう。

神は日本を憎んでる (海外シリーズ)

神は日本を憎んでる (海外シリーズ)