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Technically Impossible

Lets look at the weak link in your statement. Anything "Technically Impossible" basically means we haven't figured out how yet.

道しるべ

道しるべ
これは2006年に投稿したエントリーで、以前のブログから引き継いだものに加筆したものです。

国連第2代事務総長、ダグ・ハマーショルドの1953年から1961年までの日記。日記とはいえ、今日どういうことをした、どんなことがあったといったものではない。ある部分は哲学的であり、またある部分は信仰の書のような内容。自己との対話、聖書の引用とそれに付随する内観、そして詩など、全編を貫くのは、堅固な信仰と私心無き使命の全う、そして自己犠牲の精神。

清濁併せ「呑まない」理想主義的な思想は人により好みは分かれるところであろうし、教書的な厳格かつ清廉過ぎる表現に対して嫌悪感を抱く人もいるかもしれない。

筆者の私生活をのぞき見たわけでもないし、またその性格や考えをダイレクトに確認したわけでもない。ただ、その文章から感じられるのは清廉潔白で潔い人物像。
自分自身、いかなる信仰は持たないながらも、清濁併せ「呑まない」主義で日常を過ごしてはいるが、端から見られるとそれがどのように解釈されているのかは定かではないし、ここで採り上げられているほどに徹底しているのかと問われると、yesと明言できる自信も無い。

信仰の薄い日本では、この中で問われている使命とは具体的な自己実現の達成や、本当にやりたいことの発見とその全うに置き換えられるのかもしれない。ただ、私自身を含め、そのようなことを具体的に抱きながら日常を過ごす人はそれほど多くないのかもしれない。そのような人たちにとってこそ、具体的なゴールの無い日常をいかに良く、そして清く過ごすのかと言う意味で、自身を振り返るために有用な一冊になるのかもしれない。
自分自身の成功のみしか考えない成功哲学、あまりに楽観的過ぎるポジティブ思考、そして清濁併せ呑むリアリスト的世渡りマニュアルなどが巷にあふれ、同時にもてはやされる昨今だからこそ、意識的に目を向けなければならないことが記されているように感じる。

余談。携帯電話CPに勤めていたころ、仕事柄スウェーデン関連企業、また大使館との関わりがあった。スウェーデンは欧州でも一番日本的な特性のある国柄で、スウェーデン人の志向性も日本人のそれに通じるものがあると聞いた。ダグ・ハマーショルドスウェーデン人。そう考えると、本書で取り上げられているキーワード、例えば自己犠牲と理想主義は、日本で言うところの滅私奉公、武士道、平和主義に通じるものがあるのかもしれない。

道しるべ

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